『青鳥故事集』
李敬沢 著
著者は中国の有名な文学評論家で、中国作家協会副主席、雑誌『人民文学』の元編集長でもある。
同書は幻想的な色彩を強く備えた小説である。同書を読むことは、スリリングなタイムスリップを体験するようなものだ。さまざまなものが入り交じる歴史の細部を通り抜け、かすかな手掛かりや切れ切れになった情報を集めることにより、過ぎ去った年代の複雑に入り組んだ光景が織りなされていく。これらの物語の中で、かつて東洋と西洋の間で交流の橋渡しをした人たちは、青い鳥のように、忽然として天空を横切っていった。
同書の中で、著者は考古学者のように、大量の歴史史料や不完全な資料、民間の言い伝えを深く考証している。同書にはさらに、マテオ・リッチや万暦帝、清少納言、マッコウクジラ、沈香などの人物や事物、歴史上の出来事に対する著者による数多くの想像が加わり、考古学と博物学の知的趣味に満ちている。
(訳林出版社 2017年1月 68元)
人民中国インターネット版 2017年3月