『北京話』
劉一達 著 李濱声 絵
著者の劉一達氏は生粋の北京人で、北京の特色を持つ有名作家でもあり、一貫して得意な北京方言を使って文学創作をしている。昔ながらの北京文化を扱った作品『人虫児(北京の子 人虫児<レンチュル>)』や『故都子民(乾隆帝の幻玉―老北京<ラオベイジン>骨董異聞)』などは日本語に翻訳され日本で出版されている。本書は著者の40年余りにわたる北京方言収集の蓄積であり、エッセイのスタイルで、北京方言の起源や発展、特徴、応用などを述べている。北京方言は中原音韻音系に属し、さらに蒙古語や満州語、山西地方の言葉の特色を融合し、その語彙量は非常に豊富で、割合にユーモラスで含蓄がある。例えば、「死」という言葉一つをとっても、北京方言には40種類以上の表現方法がある。著者は過去の「北京なまり」を記録するだけでなく、中国の有名作家の老舎が提唱した「北京方言は生きている」という理念を受け継いで、インターネット時代の「新北京方言」にも注目している。 (中華書局 2017年3月 42元)
人民中国インターネット版 2017年8月