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ティティの身の詰まった思い

 

開田亜優

私が小学二年生の時の夏休み。中国人の留学生の子が、私の家にホームステイをしてやって来ました。私の家でホームステイを受け入れるのは初めてでした。また、対面するまで、どんな子が来るのか分からず、初めてのことばかりで、私は楽しみな気持ちもありましたが、不安な気持ちが大きかったです。

そして、対面の時。彼女も緊張した様子で、こちらにやって来ました。ですが、彼女はすぐ優しい面持ちになり、「ティティと呼んで下さい」と言って私に手を差し伸べてくれました。その瞬間、私の不安はすぐに拭いさられました。そして、私は彼女を「ティティ」と呼ぶようになりました。

ホームステイは一週間という短い期間でしたが、ティティが居る生活はとても楽しいものでした。中国の一人っ子政策で兄弟の居なかった彼女は「妹ができたみたい」と言って私を妹のように可愛がってくれました。私にとっても“姉”が出来た様でとても嬉しかったです。

私達はたくさんの思い出を作りました。地元を一緒に観光したり、家でパーティーを開いたりもしました。そんな様々な思い出の中でも、特に印象に残っている思い出があります。

あの日、ティティがとても大きなスイカを一生懸命に抱えて家に帰って来たのです。私達はとても驚いて、

「こんなに大きなスイカどうしたの?」とたずねると、ティティは

「みんなで食べたら美味しいと思って買ってきました。」と答えました。ティティの買ってきたスイカを持ってみると、とても大きくて、身の詰まった、ずっしりと重たいスイカでした。こんなに重たいスイカをティティはスーパーから家までの道のりを歩いて持って帰ってきてくれたのです。

その話を聞いて、私の家族はみんな心が温まりました。ティティが買ってきたスイカは、その日のうちにみんなで食べました。ティティの思いも詰った大きなスイカは、他のどんなスイカよりも美味かったです。私はそのスイカの味をずっと忘れることはないでしょう。

そして、私は今、高校の授業と部活で中国語を勉強しています。ティティとの思い出は、私が中国語を勉強する上での原動力でもあります。小さい頃に聞いたティティの中国語も、今は少し分かったりもするのかなと思うと、少し不思議な気持ちにもなります。

今年で高校三年生の私は、この二年半、中国語を通じて様々な経験をしました。部活や授業のメンバーで参加したスピーチコンテストはうれしさも、悔しさも知りました。全てが今までにない良い刺激です。

高校生活は今年で最後です。ですが、私の中国語学習は、これからも続きます。今よりももっと。もっと上達して、中国と日本の架け橋になりたいです。そして、ティティともし、また会えたなら“中国語”で、また話をしてみたいと願っています。

 

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