満員列車よサヨナラ
しかし、今の北京の地下鉄は、とにかく混んでいる。1号線の西端、苹果園駅の付近に住む陸さんは、地下鉄のホームにいる警備員にいつの間にか新たな仕事が加わったことに気がついた。それは、乗客を車内に押し込むことだ。
平日の朝、苹果園からまだ4つしか駅を通過していないのに、車内はすでに押し合いへし合いの大混雑。駅員と警備員は必死になって乗客を車内に押し込む。「北京はまだまだ地下鉄が少なすぎる。とくに東西を結ぶ地下鉄が必要です。あと2本増えればいいですね」とは、陸さんの言葉だ。
陸さんのこの願いは、多くの市民の心の声でもある。先進国に比べると、北京の地下鉄建設はかなり遅れている。開通したばかりの5号線を含めても、地下鉄の総距離はわずか142キロ。道路渋滞の緩和にはほど遠い。
昨年12月8日、軌道交通の発展を加速するため、新しい地下鉄路線5本の建設がいっせいに始まった。これに現在建設中の4号線、10号線一期、オリンピック支線、空港線、9号線を加えると、合わせて10本の路線が同時に建設を進めることとなる。投資総額は1700億元以上、総距離は228キロに達する。オリンピックまでには、このうちの58キロで運行が始まる。2015年には、北京の地下鉄は19本になる。投資総額は1700億元以上、総距離561キロ、一日あたりの乗客数は800万人となる予定だ。(張春侠=文 劉世昭=写真)
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