バスとマイカーどちらが速い?
北京市内でラッシュ・アワーの時間帯に、一人はバスに乗り、一人はマイカーを運転して、4キロ離れた場所まで競争を試みた人たちがいる。結果は、バスのほうがマイカーより10分以上速かった。
バスが勝ったのは、「バス専用レーン」のおかげだ。北京は都市の絶え間ない発展にともない、道路がしだいに足りなくなっている。そこで、いかに道路を有効利用するかということが、当面の急務となっている。公共交通の輸送能力は、マイカーなど一般の自動車の5倍から10倍であるため、バス専用レーンを設けて輸送能力をアップすることは、効果的かつ普遍的な措置だろう。
2005年、北京市は中国初の「交通白書」となる『北京交通発展要綱』を発表し、「公共交通の発展を優先する」という目標を初めて打ち出した。こうして、バス専用レーンの設置は大々的に進められ、2006年9月末時点で、バス専用レーン、優先レーンの総数は36本、総延長93.1キロに達した。
規定では、朝晩のラッシュ・アワーの時間帯に限り、一般の自動車はバス専用レーンを走行することが禁じられている。専用レーンが設けられたバス路線のラッシュ・アワーの平均時速は20キロ、バス専用レーンのないバス路線の平均時速はわずか14キロという測定結果が出ている。
2006年12月18日、『公共交通の優先的発展に関する意見』が交付され、用地や資金などでより多くの優先権がバスに与えられた。
2007年1月1日からは、まず、二環路(環状2号線)や三環路など幹線道路の9カ所にバス専用レーンが設けられた。11月末までに新設されたバス専用レーンは50キロに達した。
北京市交通管理局の解建成・副局長によると、バスは路上で走行を優先されるほか、信号や交通整理の際に優遇されるなど、さまざまな「優待」を受けることができるようになるという。今後新設される6車線の道路には必ず専用レーンが設けられ、既存の専用レーンの時間制限も適宜延長される。専用レーンの新設も加速し、2010年までには、現在の165キロから450キロにまで増やす計画だ。
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