中国の東北とは、遼寧、吉林、黒竜江の三省を指す。ここは石油、石炭、鉄鉱石などの資源が豊富な大重工業地帯である。
計画経済の時代、東北は中国経済の花形だった。国家の資金が投入され、製品は国家に納められた。ところが市場経済の時代になると、大型の国有企業は赤字に悩み、一転して中国経済のお荷物になってしまった。
東北の古い重工業をいかにして改造し、活性化させるか――温家宝総理は今年の『政府活動報告』で、「東北地区の旧工業基地振興」を強調した。
実はすでに、遼寧省では「東北振興」を目指すさまざまな改革が始まっている。しかし大型の国有企業を再建するには、膨大な資金が必要だ。余剰人員を削減しなければならない。
だがその資金はどこから来るのか、失業した人はどこへ行くのか。それが問題である。その解決なしには、「東北振興」は実現しない。
実態はどうなっているのだろう。省都の瀋陽と、鉄鋼の街、鞍山にその実情を見た。(文=横堀克己 写真=劉世昭)
その1 古い重工業基地が生き返る
その2 ご存知ですか こんな観光スポット
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