「月落ち烏啼いて霜天に満つ」――日本でもよく知られる「楓橋夜泊」の詩。その詩の舞台である寒山寺は、江蘇省南部の古い都市、蘇州にある。
毎年、大晦日になると、この寒山寺で除夜の鐘を撞こうと、多くの日本人観光客がやってくる。鐘の音は、水の豊かな蘇州の街に流れ、人々を悠久の歴史にいざなう。
蘇州は、唐、宋の時代、大いに栄えた。ここで織られたシルクや精巧な刺繍は世界で珍重された。蘇州で育った崑曲や評弾などの芸能は、今もこの地に息づいている。
そしていまの蘇州は、新築の高層ビルや住宅が建ち並び、工業区や新区に工場が稼働する近代都市の顔をもあわせ持つ。
伝統を縦糸に、近代を横糸にして編まれた布のような蘇州の街は、ここを訪れる人々の心を魅了してやまない。(侯若虹=文 馮進=写真)
その1 日本と深い縁の寒山寺
その2 水に映える古い蘇州の街並み
その3 見直される絹と刺繍
人民中国インターネット版
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