高層ビルや高速道路の建設ラッシュが続く中国の大都会。その建設現場で働いているのは、ほとんどが農村から出稼ぎに来た人々である。
都市住民の生活は、日増しに豊かになっている。レストランや美容室などのサービス業も発展したが、そこで働く人々も大多数が農村から出てきた人たちだ。
夫婦共働きの家庭で、育児や家事を担うお手伝いさんも、たいていは農村からやってきた娘さんだ。都市の吐き出す大量の廃品やゴミを処理するのも、都市の人々ではない。
彼らは「農民工」と呼ばれる。すでに人口の10%を占める1億2000万以上の農民工が、都市の建設とサービスを支えている。
改革・開放政策が始まってほぼ30年。計画経済から市場経済へ、急速に移行する中から農民工は出現した。そして、古いシステムや観念と衝突しながら、いまや中国の一大社会集団になっている。
彼らは大都市で、どんな暮らしをしているのか、どんな希望を抱いているのか、政府は彼らをどうしようとしているのか。大都市の底辺を支える農民工の実態を探ってみた。(侯若虹=文 劉世昭=写真)
その1 改革・開放から生まれた新たな集団
その2 苦闘の中にも希望がある
その3 インタビュー これから農民工はどうなる
人民中国インターネット版
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