唐代建造の塔

演教寺の中庭には、古代の祈光塔が唐代より守りつがれている。円仁は中台頂上で三本の鉄塔を見つけ、これは則天武后が寄進したものだと述べているが、その鉄塔は今は無い。

ラマ僧

ラマ僧たちは、中台の寒冷な気候条件のなかでも軽装である。頂上に近づくと、まるで羚羊のように丘の斜面を飛び跳ね、柔らかな湿地をいきいきと走っていった。それは、円仁日記から抜け出してきたような、実に超現実的な光景であった。

山腹を廻って西台へ続く道

五つの台は隣接する坂道や小道でつながっている。西台まで行く人は少ない。ここは風が特に強く、道も険しいからだ。私は西台で烈風を経験した。実際立っていられないほどであった。頂上の法雷寺に住んでいる僧は、来訪者を見て驚いた（なんと外国人で、しかも女性だ）が、すぐに我に返ると、早速エーデルワイスだの、山で採れるきのこだの、ありがたいお守りだのを持ってきて、私に売ろうとした。円仁はここで一夜を過ごしたが、私は下山した。