成語のお話―“塞翁失馬、焉知非福”
漢の時代、『淮南子』(えなんじ)の中にある「人間訓」からのお話です。
昔、漢の国の国境沿いに占いの得意なおじいさんがいました。ある日、その人が飼っていた馬が逃げ出し、周りの人は「残念でしたね」と慰めました。すると、老人は「いや、子のことが吹くとなるかもしれない」と答えます。数ヵ月後、馬は別の駿馬を引き連れて戻ってきました。周りの人が「よかったですね」というと、老人は「いや、子のことが災いになるかもしれない」と答えます。事実、この駿馬で遊んでいた息子は落馬してけがをしてしまいました。人々が「かわいそうに」という中また老人は「またこれが福になるかもしれない」といい、1年後に起きた戦争に息子はこのけががもとで兵役に就くことを免れました。
人生の幸福や不幸は見定めることは難しく、複雑に絡み合って予測できないという教えです。中国の故事にはこのような言葉はたくさんあり、「禍福はあざなえる縄のごとし」という言葉もあります。
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人民中国インターネット版 2010年6月24日