成語のお話 -“天知,地知,子知,我知”
後漢時代のお話です。宮廷では宦官がはびこり、官僚も腐敗していました。6代皇帝の安帝に使えていた楊震は博学で清廉潔白な人物をして知られていました。
あるとき、彼が地方の政治を任されて出張していたとき、昔、目をかけて役人に取り立てた男が泊まっている宿に来てこういいました。「あなたに役人にしていただいて、本当に感謝しています。どうかこのお金を受け取ってください。」楊震は断ります。するとその男は「今ここには私たち以外は誰もおらず、知られることはありません。」といいます。それに対して楊震は「誰も知らないことはないだろう。先ず天が知っている、地が知っている、それに君も知っている。私だって知っているじゃないか。」と答えました。その言葉を聞いて男は恥ずかしくなって、お金を引っ込めたということです。
この「天知る、地知る、子知る、我知る」は「楊震の四知」として『後漢書』の「楊震伝」に収められ、『十八史略』の中にも登場しています。
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人民中国インターネット版 2010年8月23日