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これって日本料理?! 不思議な発見@北京(3)

 

寿司、ラーメン、刺身…日本人にはおなじみの料理を、今中国の多くの都市で人々が楽しみ始めています。北京の繁華街・王府井を少し歩けば、すぐに多くの日本料理店を見つけることができるでしょう。市の東に位置するCBDエリアには日本企業が集中しており、そこでは料亭や居酒屋も商売繁盛の様子です。

ところで、寿司なのにアボカドやマヨネーズを使うというカリフォルニアロールのことが日本で紹介されたときには、大きなニュースになりました。では、海を渡って北京にやってきた日本料理は、もともとの姿のままなのでしょうか? 中国では「随郷入俗」(郷に入っては郷に従え)と言います。ですから、きっと北京にもたくさんの「カリフォルニアロール現象」が生まれているはずです。

日本人の思っている「和食」と、中国人の考える「日本料理」には、いったいどれほどの距離があるのでしょうか? そしてそれはどんな姿で私たちを迎えてくれるのでしょうか? それでは、レポーターの馬島由佳子と、北京の日本料理を訪ね、驚きの発見をしてみましょう。

日本のラーメンが麺の本場にやって来た!

 

初めて中国を訪れるときに、是非「本場中国のラーメン」を味わってみたいと考える日本人は少なくありません。でも、中国で麺を食べてみると、だいたいは「これはラーメンではないなあ、むしろうどんやタンメンに近い食べ物、あるいはもっと違う『何か』だなあ……」と感じることになります。

10数年前、北京で「ラーメン」といえば、大多数の人は「蘭州拉麺」を思い浮かべたものです。これは、甘粛省の蘭州に起源を持つ麺食で、回族出身の馬保子という人が1915年に考案したとされます。手打ち麺に牛肉や羊肉、内臓などを煮込んだスープの香りが食欲をそそる、中国北方では誰もが知る美食です。特に、手で繰り返し伸ばし、細く長く、それでいてコシのある麺を作る職人の腕には驚くばかりです。

ところが、昨今この「ラーメン」=蘭州拉麺という観念に少しずつ変化が起こっています。大学卒業後5年目の「80後」(1980年代生まれ)たちが初めてのクラス会を行った時のことです。あるビジネス街のラーメン店に集合と連絡したところ、付近には蘭州拉麺店と日本のラーメン店の両方が営業していたのです。その結果、半数は蘭州拉麺店に、残りは日本のラーメン店に入ってしまい、携帯電話で連絡を取り合うまで全員が集合できなかったのです。幹事は「大学時代にいつも食べていた蘭州拉麺でなつかしい気分に浸ろう…」と思い、ただ「ラーメン店」とだけ伝えたのですが、日本のラーメン店に行ってしまったグループは、「クラス会なんだからちょっと高級な店がふさわしく、ラーメンと聞いて当然日本のラーメン店だと思った」のでした。

このことからも、日本料理が高級な食事というイメージが深く人々の心に入りこんでいて、ラーメンも例外ではないことが見て取れます。日本のラーメンは中国に入ってきて、とんこつや醤油、味噌などといったスープのベースに多くの改革や刷新を行うのではなく、ラーメン以外の食材部分で工夫を加え変化しています。例えば、大きな肉、大きなエビやカニなどの魚介類をトッピングするのです。このため、中国で目にする日本のラーメンは、大部分が大きな器にたっぷりの量、彩りもあざやかで食材も豊富、麺が完全に覆い隠され、日本人にはラーメンだと分からないことさえあるほどです。しかし、スープを一口、麺を一口味わってみると、やはり日本のラーメンの痕跡を見つけることができます。

トマト牛肉ラーメン

とんこつにトマトを加えて煮込んだスープで、牛肉とチンゲンサイなどが大量にトッピングされています

蘭州拉麺なら1杯8元(約100円)ほど、それが日本のラーメンとなると30元(約400円)前後します。これほど価格面で不利な状況でありながら、日本のラーメンが人々の支持を受けているのは、中国の消費者の好みに合わせた改良を行ってきたからかもしれません。中国人が麺好きで日本料理好きという点をラーメン普及の基礎にし、大きな器を使ったり、トッピングの種類と量を増やすことで、30元でも価値があると感じさせたのです。また、北京にある日本のラーメン店では、サイド・メニューがラーメン本体をはるかにしのぐほど豊富です。また各種飲料や酒類も充実しており、居酒屋と比べても何の遜色もないほどです。

和風泡飯(雑炊)

取材のなかで、私たちはさらに、とんこつスープをベースにした雑炊も発見しました。どうやら、日本のラーメンは中国で独自の進化・発展を遂げつつあるようです。それでは、馬島由佳子と一緒に「中国に渡った」ラーメンを味わってみましょう。

 

人民中国インターネット版 2011年7月

 

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