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これって日本料理?! 不思議な発見@北京(4)

 

寿司、ラーメン、刺身…日本人にはおなじみの料理を、今中国の多くの都市で人々が楽しみ始めています。北京の繁華街・王府井を少し歩けば、すぐに多くの日本料理店を見つけることができるでしょう。市の東に位置するCBDエリアには日本企業が集中しており、そこでは料亭や居酒屋も商売繁盛の様子です。

ところで、寿司なのにアボカドやマヨネーズを使うというカリフォルニアロールのことが日本で紹介されたときには、大きなニュースになりました。では、海を渡って北京にやってきた日本料理は、もともとの姿のままなのでしょうか? 中国では「随郷入俗」(郷に入っては郷に従え)と言います。ですから、きっと北京にもたくさんの「カリフォルニアロール現象」が生まれているはずです。

日本人の思っている「和食」と、中国人の考える「日本料理」には、いったいどれほどの距離があるのでしょうか? そしてそれはどんな姿で私たちを迎えてくれるのでしょうか? それでは、レポーターの馬島由佳子と、北京の日本料理を訪ね、驚きの発見をしてみましょう。

 

中国に渡った牛丼の憂うつ

 

 

安くて美味しいファストフードとも言える丼ものは、長く日本人に深く愛されてきました。中国に渡った日本式の丼ものも、やはり歓迎されていますが、ただそれほど安い食べ物というわけではありません。

日本の丼ものの中でも、牛丼は最も人々に支持されている丼の一つであることに疑いはありません。狂牛病騒動のとき、吉野家は米国からの輸入ができなくなり牛丼の販売を停止しましたが、多くの牛丼ファンがさまざまな形で遺憾の意を表しました。そして、牛肉の輸入が再開されると「牛丼復活」のキャッチフレーズが街角にあふれ、人々は待ちわびていた懐かしい味を求めて店頭に長い列を作ったものです。それはまるで祝日のような喜びのムードに満ちていました。

しかし、日本で大人気の牛丼も、中国のグルメたちにはあまり評価されていないようです。というのも、日本式の丼ものがかなり浸透した現在でも、ご飯と牛肉を組み合わせた丼の人気は、依然として振るわないからです。

双拼饭(盛り合わせ丼)

中国では日本式の丼は、ご飯の上に料理を盛り付けるという形式は残したまま、盛り付けられる内容がさまざまに変化、発展しつつあります。こうして庶民の味・丼は、中国では高級料理の仲間入りをすることになったのです。

では、中国人はなぜ牛丼を好きにならないのでしょう?やはりコストパフォーマンスがよくないと感じるからでしょうか。牛丼は本来の姿のまま中国に伝わりました。値段も日本と変わらず、日本円で300円ほど(24人民元)です。これは、日本の大学生にはコイン3枚分に過ぎず、節約のために牛丼を選ぶ学生は少なくありません。しかし、中国の大学生にとって24元は学食で3度ご飯が食べられる金額で、いつもとは違うごちそうを食べるのでなければこの大金を出す気にはなれません。何日も生活費を削ったお金で、ご飯に薄っぺらい牛肉がのっただけの丼を食べるというのは、自分へのごほうびとしては少々つらいのです。

蘑菇饭(しいたけのあんかけ丼)しいたけをあんかけにした丼で、天津丼に少し似た形式です

でも、日本式の丼ものはとても手が込んでいて美しく、店の環境も学食とは比べものになりません。加えて日本料理は高級料理として人々に認められており、この点で丼ものに対する評価は日本とは大きく異なります。友だちを誘うにしろ、彼女とのデートで使うにしろ、丼ものはごちそうして十分にメンツの立つ食べ物なのです。

そして、お店の方も知恵をしぼり、創意あふれる工夫でコストパフォーマンス問題を解決しようとしています。その代表が、人気の「盛り合わせ丼」です。まず、器を丼から大皿に変更。こうすれば、盛り付ける料理の量が多く見えます。そして、トッピングする料理の種類を増やしました。一方には伝統の牛肉、もう一方には鶏肉と、2種類の料理が楽しめるようにしたのです。さらにその中央に野菜をのせることで栄養のバランスも整え、色取りも華やかにしました。そして、とどめに湯(スープ)もつけることにしたのです。中国では「三菜一湯」は正餐、コース料理と認められるものです。大皿の盛り合わせの中に濃縮された豪華な料理は、食べる人のおなかも、心も、そしてお財布も満足させるヒット作になりました。このほか、宮保鶏丁、青椒肉糸といった伝統の中国料理をトッピングした丼も開発され、同様に好評を博しています。

宫保鸡丁(鶏肉とピーナッツのピリ辛炒め)中国の伝統的な有名料理、鶏肉とピーナッツのピリ辛炒めをトッピング。ご飯にぴったりの料理をのせた丼は、中国のグルメたちの人気を集めています

というわけで、本日は馬島由佳子がちょっと高級なデパートのグルメ街で、丼ものを探索します。

 

人民中国インターネット版 2011年5月

 

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