第46回日本の衆議院選挙は右翼民族主義の声の高まりを背景に行われた。右翼政党日本維新の会はしきりに働きかけを行い、自民党も「改憲」「自衛隊を国防軍に」「対中強硬姿勢を」と提起した。しかし、投票直前には、自民党の候補者は次々と過激な態度を薄め、安倍晋三氏も「できる限り日中関係改善をさぐる」と発言した。
選挙が終わり、民主党幹事長の輿石東氏は「選挙結果は国民の民主党3年間の政権運営の評価を反映している」と発言した。日本のあるメディアは次のように分析している。民主党惨敗の原因のひとつは、民主党が前回2009年の衆議院選挙の際に有権者に約束したことを実現できなかったことだ。その中には野田佳彦氏がマニフェストの中で明らかにした「全力で中韓などアジア諸国との信頼関係を築く」も含まれる。
日本の民意は中日関係回復に向かうか
今回の選挙の中で、日中友好協会会長も務める加藤紘一氏、中日両国が釣魚島問題を棚上げするよう主張する田中真紀子氏など中国に友好的な古くからの政治家が相次いで落選した。このような結果は人々を憂慮させずにはおかない。これは中日関係の修復が政界と民意の二重の障害に直面していることを表しているのだろうか?
ある研究者は次のように考えている。「田中真紀子氏や加藤紘一氏の落選の直接の原因は、それぞれ異なる。田中氏は新潟3区が高齢化し、民主党への風当たりが強かったこと、文科相としての大学認可問題で批判があったことが影響している。加藤氏は健康に問題があった。このような結果は、中国との友好関係を進める政治家を一部の選挙民は、以前のように良いイメージで見なくなり、こうした政治家があまり評価されなくなったことを示しているが、両氏の落選が直ちに日中関係に影響を与えることはないだろう」
中国の元駐日大使王泰平氏は、日本の有権者は将来の政権の中国に対する態度問題でずれがあっても、大多数の人々は釣魚島紛争によってそこなわれた中日関係の外交的手段による修復を望んでおり、中日関係が長期にわたってこう着状態に置かれることは日本の国益にかなわないと考えている。中日双方の世論は、安倍政権誕生後、日本の国家的利益から出発し、あいまいな手法であっても釣魚島紛争を軟着陸させ、それによって中日の現在の緊張関係を緩和することを求めている。安倍氏はすでに中日の戦略的互恵関係再建を明らかにしており、彼が政権に就くことは、客観的に中日関係回復にチャンスを提供するものとみられる。このチャンスをとらえ、誠意ある措置を取り、中国と向き合っていけるかどうか、彼にとってひとつの試練となる。
困難の中で努力を続ける友好団体
歴史を顧みれば、中日関係危機緩和と民間の友好団体及び友好人士の努力は切っても切れないものだ。今年9月、日中友好会館会長の江田五月氏、日中友好協会会長の加藤紘一氏、日中協会会長の野田毅氏、日中友好議員連盟会長の高村正彦氏、元外務大臣の田中真紀子氏らが訪中し、釣魚島紛争がもたらした中日関係の急速な悪化を修復しようと努力を行った。
現在、日本国内の右傾化、民族主義勢力の台頭が激化する環境のもと、友好団体はどのような困難に直面しており、どのように活動を繰り広げているのだろうか?
ある日中友好人士は次のように語っている。「日本の右傾化、民族主義の台頭は、日本の護憲勢力や平和運動にとって脅威である。日中友好団体は、現在の日中間の『島の領有』をめぐる対立で困難に直面している。しかし両者は必ずしも一体のものではない。重なり合う部分もあれば、異なる部分もある。日中友好団体は、どのような情勢下でも、日中関係は平和的友好関係を維持し、平等互恵の精神で、将来にわたって友好を続けることを前提に活動すべきである。そうした活動の中で、護憲勢力や平和運動と連携する局面もあるだろう」。
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新政権誕生でどうなる中日間の“経冷”
安倍政権誕生へ、中国側は両国の今後に強い関心
人民中国インターネット版 2012年12月20日
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