今回の大部門制改革は、中国政府が小さな政府への転換に向かって、確実な一歩を踏み出したものだ。政府組織機構のいっそうの簡素化と合理化を具体的に表明し、政府機能を引き続きマクロ・コントロールの方向に転換し、また政府の公共サービス機能を浮かび出させている。
全人代代表で中国人民大学学長の陳雨露氏は、「政府は取捨選択をはっきりさせるべきです。一部ミクロの分野では政府は秩序だてて手を引いていくが、マクロ・コントロール、良質な公共サービス提供、社会の公平と正義の保護という面では、より機能を強めるべきです」と指摘する。つまり、政府は重要な事柄を掌握し、マクロを管理し、公共サービスをしっかり提供するということだ。
一部の人は、権力の下部委譲が管理分野での混乱を招くことを心配しているが、実際には心配に及ばない。今回の改革はふたつの方向の権力委譲にある。ひとつは市場への委譲で、よりよく市場機能を発揮させる。政府は市場に立脚し資源を配置するという基本的役割を果たし、指示や許可を減らし、監督管理を強める。もうひとつは、地方への委譲で、一定規模以下の財政権や行政権は地方に委譲する。こうすることで、よりいっそう各レベル政府の積極性を引き出すことができるのだ。地方政府にとって、権限の拡大は責任の増大だ。しかも、全人代、各レベルの人民代表大会、社会の監督と世論の監督がある。こうした広範な監督システムは中国が“監督管理を緩めるととたんに大混乱”という状況をまぬがれる助けになるはずだ。
人民中国インターネット版 2013年3月13日 |