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澳門・歴史市街地 東西の文化が溶けあう国際都市

歴史が書き記す古建築

 

セナド広場

 歴史市街地区の古い建物を眺めるのは、澳門の過去の生活の様子を振り返るようなものである。

 

 澳門の住民に「噴水池」と呼ばれているセナド広場は、開港以来今日までずっと澳門の中心地であり続けてきた。両側の建物は、19世紀末から20世紀初に建てられたものである。1993年、ここに黒と白の波をデザインした、細かい石が敷かれた。周囲の色とりどりの文化財建築と互いに引き立てあい、南欧ムードがより濃厚なものとなっている。

 

聖オーガスティン広場

 清らかで優美な自然に囲まれた聖オーガスティン広場には、中国最初の西洋風の劇場・ドン・ペドロ5世劇場がある。1860年、澳門のポルトガル人は、ポルトガルの国王ドン・ペドロ5世を記念するため、資金を寄せ集め、この劇場を建てた。当時、ここで芝居やコンサートが上演されるほか、ポルトガル人たちが集まって重要な活動を行う場所となった。その建築は新古典派ギリシャルネッサンス様式であった。

 

プロテスタント墓地

 この歴史市街地区には、キリスト教の墓地もある。それは1821年に設けられた、もともと東インド会社墓地と呼ばれるプロテスタントの墓地であった。その敷地内にあるマリソン教会は、澳門における最初のキリスト教の伝道所である。

 

モンテの砦

 澳門の住民は、大三巴牌坊に隣接する聖ポールの砲台を、モンテの砦と呼び慣らわしている。もともとは、聖ポール教会の天を祀るための祭壇であったが、1616年に砲台に改築されたものである。1622年、澳門侵攻を試みたオランダ人は、ポルトガル人のこの砦の大砲によって撃退された。このときにたった一度使われただけの砦の大砲が、この歴史を証明する存在となった。

 

ギア要塞(写真・劉世昭)
 東望洋山は、澳門半島でもっとも高い場所である。山頂にそびえ立つギア要塞は1622年に築かれたもので、もともとは主に外来の侵入を防御するための観察所として使われていた。一貫して軍事用地に指定され、毎年8月5日の「聖母誕」と旧暦9月9日の重陽節にのみ公開されてきた。

 

 要塞のそばにあるギア教会は、1622年に建てられたものである。1996年の修復工事で、教会の内部で華南地区では稀少な壁画が発見された。壁画に描かれた聖書の物語や人物は、中国絵画と西洋絵画の独特な技法をまぜ合わせた、極めて高い芸術価値を持つものであった。

 

 教会のそばにそびえ立つギア灯台は1864年に建てられたもので、極東地域におけるもっとも古い近代の海岸灯台であり、澳門のシンボルの一つでもある。  (侯若虹=文 馮進=写真)

 

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