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緑あふれる郊外の公園

 

高原=文・イラスト 馮進=写真

大都会に暮らす人々は、現代生活の便利さ、快適さを享受する一方、いつも、緑の芝生、野花、木々の枝をかけるリス、群れをなす渡り鳥、うっそうとした森林などの自然にあこがれている。上海人も同じだ。上海は、車で1時間ほどのところに自然の息吹あふれる公園やリゾート地があり、週末ともなると、愛車を駆って多くの市民が家族総出の小旅行に出かける。西郊の辰山植物園、浦東の上海野生動物園、そして長江最大の中州である崇明島……。

 辰山植物園  

辰山植物園は上海市松江区の佘山観光リゾートエリア内に位置し、今年1月に正式にオープンしたばかりだ。園内には広々とした緑地が広がり、入園者は芝生でゆっくりくつろいだり、ピクニック気分で弁当を使ったり、起伏に富む園内を散歩したりとそれぞれに休日を楽しんでいるが、この植物園の「目玉」といったら、やはりアジア最大の「展覧温室」だろう。

辰山植物園の「熱帯花卉フルーツ館」

「展覧温室」は独立した3つのドームから成り、それぞれ「珍奇植物館」「砂漠植物館」「熱帯花卉フルーツ館」と名づけられている。総面積は126008平方㍍。アルミ合金の骨組み・ガラス張りで、遠くから眺めると、3匹の蚕が緑の草地で休眠しているようにも見える。  

温室内には世界各地から集められた多くの珍しい植物が植栽されている。東アフリカ原産のオオギバショウは「旅人の木」とも呼ばれ、大きく広がった葉の葉柄の下端に水がたまるため、のどがかわいた旅人は、そこから水を飲むことができる。樹液に猛毒があり、中国語名は「見血封喉」(血液にほんの少しでも取り込まれると、すぐに死亡する)という恐ろしい名前の植物や南インド・スリランカ原産で花が咲き実を結ぶと枯れてしまう巨大なコウリバヤシなど珍しい植物の数々には誰もがきっと目を見張ることだろう。

辰山植物園の「砂漠植物館」

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