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緑あふれる郊外の公園

 

 上海野生動物園  

上海野生動物園の最大の特色は人と動物たちがすぐ近くで「接触しあえる」ことだろう。ここには、他の野生動物園と同じような「動物ショー」や「小動物ふれあい広場」「サファリパーク」などもあるが、何といっても動物たちと直接「接触しあえる」エリアが人気の的だ。

上海野生動物園「サファリパーク」のチーター放し飼いエリア

「動物圏養区」と名づけられたこのエリアは、鉄条網やガラス窓、鉄の囲いといった人と動物を隔てるものがほとんどない広々とした草地で、低い茂み越しには、跳びはねるカンガルーを見ることができる。水辺ではフラミンゴの群れが憩い、低い柵の向こうからダチョウが首を伸ばして餌をねだるなど、入場者が動物たちと隔てられていることを忘れてしまうような巧みな工夫が凝らされている。同時に、人と動物の双方の安全が保たれるような設計も施されていて、実に興味深い。

上海野生動物園「サファリパーク」のライオン放し飼いエリア 上海野生動物園「動物圏養区」内の水辺で憩うフラミンゴの群れ

 崇明島  

長江の河口に位置する崇明島は世界最大の河口沖積平原で、現在の面積は1200平方㌔余。長江が運んでくる土砂がいまも積み重なり、面積が広がっている。  

上海市とは長江で隔てられているだけだが、ここに一歩足を踏み入れると、市街区とはまったく異なる自然の息吹を感じることができる。長江の下をくぐる「長江隧道」(河底トンネル)を抜けると、空気は新鮮そのもので、川風がさわやかに頬をなで、市街区の喧騒がうそのような静寂に包まれる。島には工業企業はいっさいなく、エコロジー農業とエコツーリズムが主な産業で、湿地保護区と森林公園が広がっている。上海の貴重な「緑の肺」と呼ばれるゆえんだ。

崇明島の東平国家森林公園。林床にはシダ類が生い茂り、シカが放し飼いされている

崇明島の東灘湿地公園。エコ先進地区として風力発電も行われている
  

東平国家森林公園は、華東地区では最大の平原人工林で、主要樹種のメタセコイア(アケボノスギ)が天を衝くようにそそり立っている。電気自動車で林間の小道を進むと、両側のメタセコイアが枝を伸ばした間に空が青い帯のように望まれる。林床をシダ類が埋め、さながら原始林の中に踏み込んだような錯覚さえ覚える。運がよければ、放し飼いのシカを見ることができるかもしれない。  

島の東端に位置する東灘湿地公園も見逃せない。広い面積の湿地はほとんど人の手が加えられておらず、自然のままの姿が保たれてきた。夕刻、日が落ちる時分にここを訪れると、一面のアシ原が黄金色に染まり、とても美しい。ここはまた渡り鳥の生息地としても知られている。冬鳥と夏鳥が半年交替でこの広大な湿原をすみかとする。  

アシ原に身を潜めていると、鳥たちは200㍍から百㍍ほどまで近づいてきて、ついには50㍍ほどの距離で鳥たちの自然の生態を観察することができる。餌をあさる様子、高く低く飛ぶ様子など、得がたい自然体験を満喫することになるだろう。

 

人民中国インターネット版 2011年6月

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