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『孤独深処』

郝景芳 著

8月21日、「北京折畳」が第74回ヒューゴー賞(中短編部門)を獲得した。2015年の『三体』(劉慈欣著)の受賞に続いて、中国の小説家が再び同賞に輝いた。この度出版された『孤独深処』はこの中編小説を初めて収録した書籍だ。

1980年代生まれの女性作家である著者は、長年、北京で暮らしてきた。彼女の描く未来都市は細部にわたって質素だが質感がある。これにより、ポストモダン社会の問題を深く考えたこの物語は、鮮明な現実主義とその土地に根ざす意識が共に備わったものとなり、まさに現代中国SF小説の優秀な手本の一つといえる。

本書には著者が2010年から16年にかけて発表したSF小説が数編収録されている。これらの作品はこれまで出版されておらず、今回、初めて1冊にまとめられた。

 

(江蘇鳳凰文芸出版社 2016年8月 35元)

 

人民中国インターネット版 2016年11月

 

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