『海錯図筆記』
張辰亮 著
「海錯」の「錯」は、種類が多い、入り交じるという意味だ。
清代の画家兼生物愛好家の聶璜による『海錯図』には、300種類以上の海の生き物が描かれ、さらに浜辺の植物もいくつか紹介されている。しかし時代の限界により、不正確な部分も多い。例えば、一部の動物は彼が直接見たわけではなく、他人の描写に基づいて描いたため、本物からかなり遠ざかっている。生き物の習性の説明についても真実とそうでないものが入り交じっている。
著者は現代の生物学の角度から、『海錯図』の生き物を分析・考証し、聶璜の文と絵から手掛かりを発見して真偽を確かめ、一歩一歩推理・分析した後、描かれた生き物の本当の姿を見極めている。それは事件を解決するかのようで非常に満足できるものである。
(中信出版社 2016年11月 68元)
人民中国インターネット版 2016年12月