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『人民的名義』

 

周梅森 著 

 

著者の周梅森氏は「中国政治小説の第一人者」と呼ばれ、『人間正道』『絶対権力』『国家公訴』などのベストセラーを生み出してきた。本書は著者が8年の歳月をかけ、6度の修正を経て世に送り出した力作であり、同名のテレビドラマは極めて高い評価と視聴率を獲得した。  

全編は1軒の工場の取り壊し・移転事件をめぐって展開し、金や権力といった利益の下での多種多様な人間模様を生き生きと表現している。汚職対策局長の陳海は、ある汚職事件を調査中に不可解な交通事故に遭う。陳海の同級生の検察官、侯亮平はこの緊急事態に際して命を受け、責任者として引き続き事件の調査に当たる。腐敗分子の仮面が剥がされるとき、事件に関係する各政治勢力が複雑に入り乱れ、状況は錯綜する…。小説全体がスケールの大きな構成とサスペンス性の絶えない展開によって、ある一つの省の政治・社会・文化の生態をリアルに描き、現在の社会の矛盾と腐敗を生み出す最も根深い原因に向き合っている。そして同時に、中国共産党第18回全国代表大会以来、党中央の「断固とした態度を堅持して腐敗を処罰する」という時代の様相をも鮮明に映し出している。(北京十月文芸出版社 2017年1月 46.9元)

 

 

人民中国インターネット版  2017年5月

 

 

 

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