第一章 党員
第一条 年齢が満十八歳の中国の労働者、農民、軍人、知識人およびその他の社会層の先進者で、党の綱領と規約を認め、党の一組織に参加し、その中で積極的に活動し、党の決議を実行し、期限どおりに党費を納める意思があるものは、中国共産党に加入することを申請できる。
第二条 中国共産党の党員は中国労働者階級の共産主義的自覚を持つ前衛戦士である。
中国共産党の党員は、必ず誠心誠意人民に奉仕し、個人のすべてを犠牲にすることをいとわず、共産主義の実現のために一生奮闘しなければならない。
中国共産党の党員は永遠に勤労者の普通の一員である。法律と政策で規定された範囲内における個人の利益と職務上の権限以外、すべての共産党員は、いかなる私利と特権を謀ってはならない。
第三条 党員は、次の義務を履行しなければならない。
(一)マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論と「三つの代表」という重要な思想を真剣に学習し、科学的発展観を学習し、党の路線、方針、政策と決議を学習し、党の基本知識を学習し、科学、文化、法律および業務の知識を学習し、人民に奉仕する能力を高めるよう努めること。
(二)党の基本路線と諸般の方針、政策を貫徹、実行し、率先して改革開放と社会主義現代化の建設に参加し、経済の発展と社会の進歩のために刻苦奮闘するよう大衆を導き、生産、仕事、学習と社会生活の中で前衛としての模範的役割を果たすこと。
(三)あくまで党と人民の利益を至上のものとし、個人の利益を党と人民の利益に服従させ、人に先んじて苦しみ、人に後れて楽しみ、克己して公のために奉仕し、大いに貢献すること。
(四)党の規律を自覚をもって遵守し、国の法律、法規を模範的に遵守し、党と国家の機密を厳守し、党の決定を実行し、組織による配属に服従し、積極的に党の任務を遂行すること。
(五)党の団結と統一を擁護し、党に対し忠誠を尽くし、言行が一致し、すべての分派組織と小集団的活動、面従腹背の二面派的行為とすべての陰謀術策に断固反対すること。
(六)批判と自己批判を着実に繰り広げ、仕事の中での欠点や誤りを勇敢に摘発、是正し、消極・腐敗現象と断固闘うこと。
(七)大衆と密接なつながりを保ち、大衆に党の主張を宣伝し、事あるごとに大衆と相談し、大衆の意見と要求を遅滞なく党に伝え、大衆の正当な利益を守ること。
(八)社会主義の新しい気風を発揚し、率先して社会主義の栄辱観を実践し、共産主義のモラルを提唱し、国と人民の利益を守るために、いかなる困難と危険に臨んでも、身を挺して勇敢にたたかい、犠牲を恐れないこと。
第四条 党員は次の権利を享有する。
(一)党の関連会議に参加し、党の関連書類を閲読し、党の教育と訓練を受けること。
(二)党の会議および党の新聞・雑誌で、党の政策問題についての討議に参加すること。
(三)党の活動について提案および発議をすること。
(四)党の会議において、党のあらゆる組織、あらゆる党員に根拠のある批判を加え、党のあらゆる組織、あらゆる党員の規律・法律違反の事実を、責任を持って党に摘発し、告発し、規律・法律に違反した党員の処分を要求し、不適任である幹部の罷免または更迭を要求すること。
(五)議決権、選挙権を行使し、被選挙権を持つこと。
(六)党組織が党員に対する規律処分を討議、決定する時あるいは評定を行うとき、本人がこれに出席して弁明する権利を持ち、他の党員はその党員のために証言と弁護をおこなうことができること。
(七)党の決議と政策に対して異議がある場合、その決議と政策を断固実行する前提のもとで、みずからの意見の留保を声明することができるとともに党の上級組織、さらには中央にまで、それを提出することができること。
(八)党の上級組織、さらには中央にまで、要求、訴願と告訴をし、また関連組織に責任ある回答を要求すること。
党のいかなるクラスの組織、さらには中央にも、党員の上述の権利をはく奪する権限はない。
第五条 党勢の拡大にあたって、必ず党の支部を通じて、個々に吸収する原則を堅持しなければならない。
入党を申請する者は、入党志願書に記入し、正式の党員二名の推薦を受け、支部大会での可決と上級の党組織の承認を得なければならず、その上で予備期間の観察を経て、はじめて正式党員になることができる。
推薦者は申請者の思想、品性、経歴と仕事に対する姿勢・言行を真剣に掌握し、申請者に党の綱領と党の規約について説明し、党員の条件、義務と権利を説明し、かつ責任をもって党組織に報告を行わなければならない。
党の支部委員会は、入党申請者について、党内外の関連大衆から意見を求めることに気を配り、厳しい審査を行わなければならず、適格と認めた後に、はじめて支部大会の討議にかけるものとする。
上級の党組織は、申請者の入党を認めるに先立って、担当者に本人と面談させ、一歩進んで状況を把握するとともに、入党申請者が党に対する認識を高めることを助けなければならない。
特殊な状況のもとでは、党の中央と省、自治区、直轄市の委員会は、党員を直接受け入れることができる。
第六条 予備党員は必ず党旗に向かって、入党の宣誓を行わなければならない。宣誓の言葉は次の通りである。――私は、中国共産党に加入することを志願し、党の綱領を擁護し、党の規約を遵守し、党員の義務を履行し、党の決定を実行し、党の規律を厳守し、党の機密を守り、党に忠誠を尽くし、積極的に仕事をし、共産主義のために一生奮闘し、いつでも党と人民のためにすべてを犠牲にする心構えがあり、永遠に党を裏切らない、というものである。
第七条 予備党員の予備期間は一年とする。党組織は予備党員に対し、真剣に教育し、観察を行うものとする。
予備党員の義務は正式党員と同じである。予備党員の権利は、議決権、選挙権、被選挙権のほかは、正式党員と同じである。
予備党員の予備期間が満了したならば、党の支部は、正式党員となれるかどうかについて遅滞なく討議するものとする。党員の義務を真剣に履行し、党員の条件を備えた者は、期限どおりに正式党員とすべきである。引き続き観察し、教育する必要のある者に対しては、その予備期間を伸ばすことができるが、ただし一年を超えてはならない。党員の義務を履行せず、党員の条件を備えていない者に対しては、その予備党員の資格を取り消すべきである。予備党員から正式党員になるか、予備期間を伸ばすか、または予備党員の資格を取り消すにあたっては、いずれも支部大会で討議、可決し、上級党組織の承認を経なければならない。
予備党員の予備期間については、支部大会が予備党員にすることを可決した日から起算する。党員の党歴については、予備期間が満了し正式党員になった日から起算する。
第八条 すべての党員は、職務の高低を問わず、必ず党の一つの支部、一つのグループあるいはその他の特定組織に編入され、党の組織生活に参加し、党内外の大衆からの監督を受けなければならない。党員指導幹部は、党委員会、党グループの民主生活会にも参加しなければならない。党の組織生活に参加せず、党内外の大衆からの監督を受けないいかなる特殊な党員の存在も許されない。
第九条 党員には離党の自由がある。党員が離党を要求したときは、支部大会で討議にかけた後除名を発表するとともに、上級の党組織に報告して記録に留めなければならない。
党員で革命の意志に欠け、党員の義務を履行せず、党員の条件に合致しない場合、党の支部は本人を教育し、期限を定めて是正するよう求めるものとする。教育しても好転が見られない者に対しては、離党を勧告すべきである。党員に対する離党の勧告は、支部大会で討議、決定するとともに、上級の党組織に報告して承認を得なければならない。離党の勧告を受けた党員があくまで離党しない場合には、支部大会にかけて討議し、除名を決定するとともに、上級の党組織に報告して承認を得なければならない。
党員で正当な理由もなく、六ヵ月続いて党の組織生活に参加せず、党費を納めず、または党の与えた仕事をしない者は、自ら離党したものと見なす。支部大会は、このような党員の除名を決定するとともに、上級の党組織に報告して承認を得なければならない。
第二章 党の組織制度
第十条 党は、自らの綱領と規約に基づき、民主集中制によって組織された統一体である。党の民主集中制の基本原則は、次の通りである。
(一)党員個人は党の組織に服従し、少数は多数に服従し、下級組織は上級組織に服従し、全党のあらゆる組織と全党員は党の全国代表大会と中央委員会に服従する。
(二)党の各級指導機関は、そこから派出された代表機関と党外組織における党グループを除き、いずれも選挙によって選出される。
(三)党の最高指導機関は、党の全国代表大会とそれによって選出された中央委員会である。党の地方の各級指導機関は、党の地方の各級代表大会とそれらによって選出された委員会である。党の各級委員会は、同じクラスの代表大会に対して責任を負うとともに、活動の報告を行う。
(四)党の上級組織は、常に下級組織と党員大衆の意見に耳を傾け、彼らの提出した問題を遅滞なく解決しなければならない。党の下級組織は、上級組織に指示を仰ぎ、その活動を報告する一方、独自に責任を持って自己の職責範囲内の問題を解決しなければならない。上級組織と下級組織の間では、互いに情報を知らせ合い、支持し合い、監督し合うようにしなければならない。党の各クラス組織は、規定にのっとって党務の公開を実行し、党員に党内の事柄をより多く知らせ、それに参加させなければならない。
(五)各級党委員会は、集団的指導と個人責任分担が結びついた制度を実行する。重要な問題に属するものについては、すべて集団的指導、民主集中、個別的な根回し、会議での決定という原則に基づいて、党の委員会で集団で討議して、決定をおこなわなければならない。委員会の構成員は、集団の決定と分担に基づき、着実にみずからの職責を履行しなければならない。
(六)党は、いかなる形の個人崇拝をも禁止する。党の指導者の活動が党と人民の監督のもとに置かれるよう保証するとともに、党と人民の利益を代表するすべての指導者の威信を守らなければならない。
第十一条 党の各級代表大会の代表とその委員会の選出では、選挙人の意志が具現されなければならない。選挙は、無記名投票の方式をとる。候補者名簿については、党組織と選挙人が十分な根回しと討議をしなければならない。候補者数が選出者数を超える差額選挙の方法によって、直接、本選挙を行ってもよい。また、まず差額選挙の方法で予備選挙を行い、候補者を決めてから、本選挙を行ってもよい。選挙人は、候補者の状況を知り、候補者の変更を求め、いずれの候補者をも選ばず、また他の者を選ぶ権利を有する。いかなる組織と個人も、いかなる方式にせよ、選挙人に特定の者を選挙し、または選挙しないように強制してはならない。
党の地方の各級代表大会と末端の代表大会の選挙において、党規約に違反する状況が生じた場合には、一級上の党委員会は調査、事実確認の後、選挙の無効および相応の措置をとる決定を下すとともに、さらに一級上の党委員会に報告し、その審査と承認を経て、正式に発表し、実行するものとする。
党の各級代表大会で代表の任期制を実行する。
第十二条 党の中央と地方の各級委員会は、必要に応じて、代表会議を招集し、遅滞なく解決すべき重要な問題を討議し、決定する。代表会議の代表の定数とその選出方法については、代表会議を招集する委員会が決定する。
第十三条 およそ党組織の新設、または既存の党組織の撤廃については、必ず上級の党組織によって決定されなければならない。
党の地方の各級代表大会と末端の代表大会の閉会期間に、上級の党組織は、必要と認めた場合、下級の党組織の責任者を異動させ、または派遣することができる。
党の中央と地方の各級委員会は、代表機関を派出することができる。
党の中央と省、自治区、直轄市委員会で巡視制度を実行する。
第十四条 党の各級指導機関は、下級組織と関係ある重要な問題について決定を行う場合、一般的な状況のもとでは、下級組織の意見を求めなければならない。下級組織の正常な職権行使を保証しなければならない。およそ下級組織の処理すべき問題については、特別な事情がない限り、上級の指導機関はこれに関与しないものとする。
第十五条 全国にかかわる重要な政策問題については、党中央のみが決定する権限を持ち、各部門、各地方の党組織は中央に提案をすることはできるが、勝手に決定を下したり、党の外部に主張を発表したりしてはならない。
党の下級組織は、上級組織の決定を断固実行しなければならない。下級組織は、上級組織の決定がその地域、その部門の実際状況に合わないと認めた場合には、変更を求めることができる。上級組織が依然としてもとの決定を変えない場合には、下級組織は、必ずその決定を実行すべきであって、異なる意見を公に発表してはならない。ただし、一級上の党組織に報告する権利を持つ。
党の各級組織の新聞・雑誌とその他の宣伝手段は、必ず党の路線、方針、政策および決議を宣伝しなければならない。
第十六条 党組織は、問題を討議、決定するときは、少数が多数に従う原則を実行し、重要問題を決定するときは表決を行わなければならない。少数者の異なる意見に対しては、真剣に考慮を払うものとする。重要な問題について論争が起こり、双方の人数が接近している場合には、緊急の状況のもとで多数の意見に従って実行しなければならないときを除き、決定を下すことを見合わせ、さらに調査研究を行い、意見を交換して、次回において再表決すべきである。特殊な状況の場合には、その論争の状況を上級組織に報告し、裁決を仰いでもよい。
党員個人が党組織を代表して重要な主張を発表する場合において、党が既に行った決定の範囲を超えるときには、所属する党組織がそれを討議にかけて決定するか、または上級の党組織の指示を仰がなければならない。いかなる党員もその職務の高低を問わず、個人で重要問題を決定してはならない。緊急な状況のもとで個人が決定を下さなければならない場合には、事後速やかに党組織に報告しなければならない。いかなる指導者であっても、個人が独断専行したり、個人を組織の上に置いたりすることは許されない。
第十七条 党の中央、地方および末端の組織はすべて党の建設を重視し、党の宣伝活動、教育活動、組織活動、規律検査活動、大衆活動、統一戦線の活動などについて常に討議し、点検し、党内、党外の思想・政治状況の検討に気を配らなければならない。
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