二、改革開放の偉大な歴史的プロセス
われわれは間もなく改革開放の三〇周年を迎えることになる。一九七八年、わが党は重要な歴史的意義をもつ十一期三中全会を召集し、改革開放という新しい歴史的時期がスタートした。その時点から、中国共産党の党員と中国人民は勇往邁進の進取精神で、雄壮なパイオニアとしての実践を通して、中華民族が自ら向上を求めてやまず、粘り強く前進する、新しい壮大な史詩を書き綴ることとなり、中国人民の姿、社会主義の中国のありさま、中国共産党のイメージは歴史的に変わりつつある。
改革開放は党が新しい時代の条件下で人民を率いて行なった新たな偉大な革命である。その目的は社会生産力を解放し、発展させ、国の現代化を実現し、中国人民が豊かになるようにして、偉大な中華民族を振興するためであり、わが国の社会主義制度の自己改善と発展を促進し、社会主義に新たな生気と活力を注ぎ込み、中国の特色のある社会主義を建設し、発展させるためであり、現代中国の発展と進歩を導く中で党建設を強化、改善し、党の先進性を保ち、発展させ、党があくまでも時代の先頭に立ちつづけることを確保するためである。
改革開放の偉大な事業は、毛沢東同志を中核とする党の第一世代中央指導グループが毛沢東思想を創立し、全党、全国各民族人民を率いて新中国を築きあげ、社会主義革命と建設の偉大な成果をかちとるとともに、社会主義建設の法則に対する並々ならぬ模索で積み重ねた貴重な経験をふまえてすすめられてきたものであることを、われわれは永遠に銘記しなければならない。新民主主義革命の勝利、社会主義の基本制度の樹立は、現代中国のあらゆる発展と進歩のための根本的な政治的前提と制度の基礎を築き上げた。
改革開放の偉大な事業は、鄧小平同志を中核とする党の第二世代中央指導グループが全党、全国各民族人民を率いて切り開いたものであることを、われわれはいつまでも銘記しなければならない。十年の「文化大革命」がもたらした危機的局面に直面し、党の第二世代中央指導グループは思想の解放、実事求是を堅持し、大きな政治的勇気と理論的勇気を以って、毛沢東同志と毛沢東思想を科学的に評価し、「階級闘争をカナメとする」という誤った理論と実践を徹底的に否定し、党と国家の活動の中心を経済建設に移し、改革開放を実行するという歴史的な政策決定をおこない、社会主義の初級段階の基本路線を樹立し、自分の道を歩み中国の特色のある社会主義を建設するという時代の進軍ラッパを吹き鳴らし、鄧小平理論を創立し、全党、全国各民族人民を導いて改革開放という偉大な道を大きな足取りで邁進している。
改革開放の偉大な事業は、江沢民同志を中核とする党の第三世代中央指導グループが全党、全国各民族人民を指導し、それを受け継ぎ、発展させた上、成功裏に二十一世紀へと推進してきたものであることを、われわれはあくまでも銘記しなければならない。十三期四中全会から中国共産党第十六回全国代表大会まで、重要な歴史的時点に使命を受けた党の第三世代中央指導グループは、鄧小平理論の偉大な旗じるしを高く掲げ、改革開放をおしすすめ、時代とともに前進することを堅持し、内外に起きた政治的風波や経済リスクなどの厳しい試練に立ち向かい、党と人民に頼り、中国の特色のある社会主義を守り抜き、社会主義市場経済の新体制を創出し、全面的開放の新局面を切り開き、党建設の新しい偉大なプロジェクトを推し進め、「三つの代表」の重要な思想を創立し、引き続き改革開放の船を導き、正しい方向をめざし、波を切って前進している。
中国共産党第十六回全国代表大会いらい、われわれは鄧小平理論と「三つの代表」の重要な思想を導きとして、内外情勢の発展、変化にしたがい、重要な戦略的チャンスとしての時期をとらえ、真実を求め実際を重んじ、開拓進取に励む精神を発揚し、理論、実践での創造・革新を堅持し、科学的発展に力を入れ、社会の調和を促進し、社会主義市場経済体制を充実化させ、小康社会を全面的に建設するという実践のなかで揺るぐことなく改革開放の偉大な事業を引き続き前進させるよう推し進めてきた。
新しい時期の最も鮮明な特徴は改革開放である。農村から都市に至るまで、経済分野からその他の諸分野に至るまで、全面的な改革はさえぎることのできない勢いで繰り広げられている。沿海地域から長江の沿岸地域、辺境地域に至るまで、東部地域から中西部地域に至るまで、思い切った決意で対外開放のとびらが開かれた。こうした史上かつてなかった大改革・大開放は、十数億人民の積極性を大いに引き出し、わが国が成功裏に高度に集中した計画経済体制から活気に溢れる社会主義市場経済体制へ、閉鎖的また半閉鎖的なものから全方位の開放へと偉大な歴史的転換を実現した。今や、現代化に向かい、世界に向かい、未来に向かう社会主義中国はぎ然と世界の東方にそびえ立っている。
新しい時期のもっとも著しい成果は急速な発展である。わが党は現代化建設を「三段階で達成する」戦略を実施し、人民を導いて刻苦奮闘し、わが国が世界にまれに見る持続的な急成長を遂げるように促進した。わが国の経済は一時崩壊寸前であった状態から立ち直って発展し、経済総量は世界四位、輸出入総額は世界三位へと飛躍をとげ、人民の生活は衣食の問題がまだ完全には解決されていない状態から全般的に小康となるまで発展させ、農村の貧困人口は二億五〇〇〇余万から二〇〇〇余万まで減少し、政治建設、文化建設、社会建設への取り組みにおいては世界の注目を引く成果が見られた。中国の発展により、中国人民は豊かになり、安泰で健やかさに満ちあふれ、広々とした道を歩むようになっただけでなく、世界経済の発展と人類文明の進歩にも重要な貢献をしている。
新しい時期のもっとも際立ったメルクマールは時代とともに邁進することである。わが党はマルクス主義の思想路線を堅持しながら、なにが社会主義であるか、どのように社会主義を建設するか、どんな党を建設するか、どのように党を建設するか、どんな発展を実現するか、どのように発展させるかなどの重要な理論と実際的課題をたえず模索・探求しつつ、答えをだし、マルクス主義の中国化をたえず推進し、党の基本理論、基本路線、基本綱領、基本的経験を堅持し、豊かにしている。社会主義とマルクス主義は中国の大地の上で活気に満ち溢れ、人民により多くの福祉をもたらし、それで中華民族は大きな足取りで時代の流れに追いつき、偉大な復興の明るい展望を切りひらくことになるであろう。
事実が雄弁に裏づけているように、改革開放は現代中国の命運を決定する上で極めて肝心な選択であり、中国の特色のある社会主義を発展させ、中華民族の偉大な復興を実現するうえで必ず通らなければならぬ道筋である。また、社会主義のみが中国を救いうるのであり、改革開放を進めなければ、中国を発展させ、社会主義を発展させ、マルクス主義を発展させることはできないのである。
改革開放は新しい偉大な革命である以上、一路順風満帆であるはずはないし、容易に成し遂げられるはずもない。しかしながら、最も根本的な道理として、改革開放は党と人民の意志に合致し、時代の流れに順応するもので、その方向と道筋はまったく正しく、収めた成果と業績を否定してはならず、足踏みや後戻りには活路がない、ということを認識しなければならない。
改革開放という歴史的プロセスにおいて、わが党は次のようないくつかの結合に取り組んできた。すなわち、マルクス主義の基本原理の堅持とマルクス主義の中国化促進との結合、四つの基本原則の堅持と改革開放の断固たる推進との結合、人民の創造精神の尊重と党の指導の強化、改善との結合、社会主義の基本制度の堅持と市場経済の発展との結合、経済的土台の変革推進と上部構造の改革推進との結合、社会生産力の発展と全民族の文明的資質の向上との結合、効率の向上と社会の公平の促進との結合、独立自主の堅持と経済グローバル化への参入との結合、改革・発展の促進と社会の安定維持との結合、中国の特色のある社会主義の偉大な事業の推進と党建設の新しい偉大なプロジェクトの推進との結合、ということがそれである。そこからは、十数億の人口を擁するわが国のような発展途上の大国で貧困から脱却し、現代化に向けてペースを速め、社会主義を打ち固め、それを発展させるという貴重な経験が得られた。
改革開放いらい、われわれがすべての成果をあげ進歩を収めた根本的原因は総じて言えば、中国の特色のある社会主義の道を切り開き、中国の特色のある社会主義の理論体系を形成したからである。中国の特色のある社会主義の偉大な旗じるしを高くかかげるにあたって、最も根本となるのはこの道筋とこの理論体系を堅持することにほかならない。
中国の特色のある社会主義の道とは、中国共産党の指導のもと、基本的国情に立脚し、経済建設を中心として、四つの基本原則を堅持し、改革開放を堅持した上で、社会生産力を解放し、発展させ、社会主義制度を強固にし、充実させ、社会主義市場経済、社会主義の民主政治、社会主義の先進的文化、社会主義の調和社会を築き上げ、富強・民主・文明・調和のある現代化した社会主義国を築き上げることである。中国の特色のある社会主義の道がまったく正しく、中国の発展と進歩を導くことができるというのは、つまるところ、われわれが科学的社会主義の基本原則を堅持したばかりでなく、わが国の実情と時代の特徴に基づいてそれに鮮明な中国の特色をもたせたからである。現代の中国において、中国の特色のある社会主義の道を堅持することは、真に社会主義を堅持することにほかならない。
中国の特色のある社会主義の理論体系は、鄧小平理論、「三つの代表」の重要な思想および科学的発展観などの重要な戦略思想を内包する科学的な理論体系である。この理論体系は、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想を堅持し、発展させたものであるとともに、人民を率いて弛むことなく模索し、実践してきた中国共産党の党員の数世代にわたる英知と心血の結晶であり、マルクス主義の中国化における最新の成果で、党の最も貴重な政治的、精神的財産であり、全国各民族人民が団結奮闘するための共通した思想的基礎である。さらに、中国の特色のある社会主義の理論体系は絶えず発展しつづける、開放的な理論体系である。『共産党宣言』の出版以来の、百六十年近くの実践が立証しているように、マルクス主義は自国の国情と結びつき、時代の発展とともに進歩を目指し、人民大衆と運命を一つにしてこそはじめて、強大な生命力、創造力、訴求力を示すことができる。現代の中国において、中国の特色のある社会主義の理論体系を堅持することは、真にマルクス主義を堅持することにほかならない。
実践は永遠に止まるところがなく、創造革新も永遠に止まるところはない。党が艱難辛苦を重ねることで切り開いた中国の特色のある社会主義の道、および中国の特色のある社会主義の理論体系について、全党の同志はそれをいっそう大切にし、長期にわたり堅持し、絶えず発展させていかなければならない。さらに、思想を解放し、実事求是の態度をとり、時代とともに前進することを堅持し、勇気をもって変革や創造革新に挑み、いつまでも硬直化せず、停滞しないようにし、いかなるリスクも恐れず、いかなる妨害にも惑わされることがないようにし、中国の特色のある社会主義の道を次第に広げ、現代の中国におけるマルクス主義がいっそう輝かしい真理の光を放つように努めなければならない。
三、科学的発展観を深く貫き、徹底させる
新しい発展段階において引き続き小康社会を全面的に建設し、中国の特色のある社会主義を発展させるには、必ず鄧小平理論と「三つの代表」の重要な思想を導きとすることを堅持し、科学的発展観を深く貫き、徹底させなければならない。
科学的発展観は、党の三世代にわたる中央指導グループの発展に関する重要な思想を継承、発展させたものであり、マルクス主義の発展に関する世界観と方法論を集中的に具現したものであり、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論および「三つの代表」の重要な思想と一脈相通じるものであるとともに、時代とともに前進する科学的理論である。それはまた、わが国の経済・社会発展の重要な指導方針であり、中国の特色のある社会主義を発展させるうえで必ず堅持し、貫徹しなければならない重要な戦略思想である。
科学的発展観は、社会主義の初級段階における基本的国情に立脚し、わが国の発展の実践を総括し、外国の発展の経験を参考にし、新たな発展の要請に応えて提起されたものである。新しい世紀の新段階に入ってから、わが国の発展には一連の新しい段階的特徴が見られるようになった。それは主として次のようなものである。経済力は著しく強まっているが、それと同時に生産力の水準が総体的に高くなっておらず、自主的創造革新能力が強くなく、長期にわたり形成されてきた構造的矛盾や粗放型の成長パターンもなお抜本的に変わっていないこと。社会主義の市場経済体制は初歩的に確立したものの、それと同時に発展を妨げる体制・メカニズム上の障害が依然として存在し、改革の難関突破が深層部の矛盾や問題に直面していること。人民の生活は全般的に小康の水準に達したとは言え、それと同時に所得分配の格差拡大の傾向は今なおも抜本的に是正されておらず、都市農村における貧困層と低所得層の人口はかなり多く、全局的な立場から各方面の利益に適切に配慮を払う難しさが大きくなったこと。バランスのとれた発展には著しい成果が見られるが、それと同時に農業の基盤がぜい弱で、農村の発展が立ち遅れている状態はまだ好転しておらず、都市農村間、地域的発展の格差を縮小し、経済・社会のバランスのとれた発展を促進する任務が極めて重いこと。社会主義の民主政治は絶えず発展しつつあり、法に則って国を治めるという基本方略は着実に貫徹されているが、それと同時に民主・法制の整備は依然として人民民主の拡大と経済・社会発展の要請に完全に適応しておらず、政治体制の改革も引き続き深める必要があること。そして、社会主義の文化はさらなる繁栄を見せているが、それと同時に人民の精神・文化面の需要が日増しに旺盛なものとなり、人々の思想活動の独立性や選択性、多変性、差異性が目に見えて強まってきているため、社会主義の先進的文化の発展にさらなる要請が提起されていること。社会の活力は明らかに増強しているが、それと同時に社会構造、社会の組織形態、社会的利益の枠組においてはかなり大きな変容をとげつつあり、社会の整備と管理においてはいろいろな新しい課題に直面していること。また、対外開放は日増しに拡大しているが、それと同時に直面する国際競争もますます激しくなり、先進諸国が経済や科学技術分野で優位を占めていることによるプレッシャーは長期的に存在し、予見しうるリスクまたは予見しがたいリスクが増え、国内の発展と対外開放を統一的に協調させる上での要求がいっそう厳しいものとなることが挙げられる。
これらの状況が示しているように、新中国の成立以来、とりわけ改革開放以来のたゆまぬ努力により、わが国は世界の注目を集める発展の成果を勝ち取り、生産力から生産関係まで、経済的土台から上部構造に至るまでのいずれの面においても深遠な意義のある大きな変化をもたらしている。にもかかわらず、わが国が今なお、しかも今後長期にわたって社会主義の初級段階にあるという基本的国情は変わっておらず、人民の日増しに増大する物質・文化面の需要と立ち遅れた社会的生産との間の矛盾という主要な社会矛盾は変わっていない。当面わが国の発展に見られる段階的な特徴は、新しい世紀の新段階における社会主義初級段階の基本的国情を具現したものである。社会主義初級段階の基本的国情を見極めることを強調する狙いは、みだりに自己卑下となり、自ら後進であることに甘んずることでもなければ、実情から遊離し、功をあせることでもなく、あくまでもそれを改革の推進、発展の促進を図るための根本的よりどころとすることにある。われわれは必ず終始冷静な頭脳を保ち、社会主義初級段階というこの最も重要な現実に立脚し、経済グローバル化へ全面的に参入するわが国の直面する新たなチャンスや挑戦を科学的に分析し、工業化や情報化、都市化、市場化、国際化のさらなる進捗に伴って生まれた新しい情勢や任務を全面的に認識するとともに、わが国の発展の中で直面している新しい課題と新しい矛盾を深くとらえ、さらなる自覚をもって科学的発展の道を歩み、全力をあげて中国の特色のある社会主義の、いっそう広々とした発展の前途を切り開かなければならない。
科学的発展観について、その第一義とするところは発展、核心は人間本位、基本的要請は全面的で、バランスのとれた、持続可能なこと、根本的な方法は全局的立場に立った各方面への適切な配慮である。
――発展ということを党の執政と国家振興における第一義的な重要任務とすること。発展ということは、小康社会を全面的に建設し、社会主義現代化の進捗を速める上で決定的な意義をもっている。経済の建設というこの中心をしっかりつかみ、すべての力を集中して建設に取り組み、一意専心発展を求め、社会生産力を絶えず解放し、発展させていかなければならない。科学技術・教育による国家振興の戦略、人材による国力増強の戦略および持続可能な発展の戦略をよりよく実施し、発展の法則の把握や発展理念の革新、発展パターンの転換、発展における難問の解決に力を入れ、発展の質と効率を向上させ、立派で急速な発展を実現し、中国の特色のある社会主義を発展させるために強固な基礎を築き上げる。人間本位および全面的で、バランスのとれた、持続可能な科学的発展を実現し、各方面の事業が有機的に統一し、社会構成員の団結融和が深まるという調和のとれた発展を実現し、世界平和の擁護による自己発展と自己発展による世界平和の擁護を両立させる平和発展を実現するよう努める。
――人間本位を堅持すること。誠心誠意人民に奉仕することは党の根本的主旨であり、党のすべての奮闘と活動はいずれも人民に幸せをもたらすためである。終始最も広範な人民の根本的利益を立派に実現し、擁護し、発展させることを、党と国家のすべての活動の出発点もしくは立脚点としなければならず、人民の主体的な地位を尊重し、人民の創造精神を発揮させ、人民の諸般の権益を保障し、ともに豊かになる道を歩むとともに、人間としての全面的な発達を促進して、発展は人民のためにあり、発展は人民に依拠し、発展の成果は人民がともに享受するようにしなければならない。
――全面的で、バランスのとれた、持続可能な発展を堅持すること。中国の特色のある社会主義事業の全般的布石に基づいて、経済の建設、政治の建設、文化の建設と社会の建設を全面的に推進し、現代化建設における各段階、各方面の相互協調を促進し、生産関係と生産力、上部構造と経済的土台の相互協調を促進する。生産が発展をとげ、生活が豊かになり、生態環境が良好であるという文明的な発展の道を堅持し、資源節約型、環境にやさしい社会の構築をはかり、スピードを構造・質・効率と統一させ、経済の発展と人口・資源・環境とのバランスを実現し、人民が良好な生態環境の中で生産に携わり、生活を営むようにし、経済・社会の長期的で持続可能な発展を実現する。
――全局的立場に立った各方面への適切な配慮を堅持すること。中国の特色のある社会主義事業における重要な諸関係を正しく認識し、適切に処理し、都市と農村の発展、地域的発展、経済と社会の発展、人間と自然との調和のとれた発展、国内の発展と対外開放を統一的に協調させ、中央と地方の関係を統一的に協調させ、個人の利益と集団の利益、局部的利益と全体の利益、短期的利益と長期的利益を統一的に協調させ、そうすることによって各方面の意欲を十分に引き出す。また、国内と国際という二つの大局を統一的に協調させ、世界的な視野をもって、戦略的思考力を強め、国際情勢の発展、変化の中から発展のチャンスをつかみとり、リスクや挑戦に対処することに長じ、望ましい国際環境を作り出す。全局を統轄し、統一的に企画するとともに、全局に影響を及ぼす主要な活動および大衆の利益に関わる際立った問題をきちんと押さえて、全力をあげてこれらの活動を推し進め、問題の解決で重点的に突破をはからなければならない。
科学的発展観を深く貫き、徹底させるには、われわれは終始「一つの中心、二つの基本点」の基本路線を堅持する必要がある。党の基本路線は党と国家の生命線であり、科学的発展を達成するための政治的保証である。経済の建設を中心とすることは、国家の振興を図る上でのカナメであり、わが党とわが国が繁栄、発展を成し遂げ、長期的な安定を維持する根本的要請である。四つの基本原則は立国の本であり、わが党とわが国が生存し、発展をとげるための政治的礎石である。改革開放は国力の増強につながる道であり、わが党とわが国が発展、進歩する活力の源である。したがって、経済の建設を中心とすることと四つの基本原則、改革開放という二つの基本点を、中国の特色のある社会主義を発展させる偉大な実践に統一することを堅持しなければならず、いかなる時においても決してそれを揺るがしてはならない。
科学的発展観を深く貫き、徹底させるには、われわれは社会主義の調和社会を構築する必要がある。社会の調和は中国の特色のある社会主義の本質的属性である。科学的発展と社会の調和は内在的に統一したものである。科学的発展がなければ社会の調和は成り立たず、社会の調和がなければ科学的発展は実現できなくなる。社会主義の調和社会を構築することは、中国の特色のある社会主義事業の全過程にまたがる、長期にわたる歴史的任務であり、発展を踏まえてさまざまな社会矛盾を正しく処理する歴史的過程と社会的結果である。発展を通して社会の物質的富を増やし、人民の生活を絶えず改善する一方、発展を通して社会の公平と正義を保障し、絶えず社会の調和を促進していかなければならない。社会の公平と正義を実現することは、中国共産党の党員の一貫した主張であり、中国の特色のある社会主義を発展させる上での重要な任務である。民主・法治、公平・正義、信義・友愛を求め、活力にあふれて、安定した秩序を保ち、人間と自然が仲良く共存するという全般的な要請、および共に建設に取り組み、共に享受する原則に則り、人民大衆が最も関心をもち、最も直接的で、最も現実的な利益とかかわりのある問題の解決に力点をおき、全人民がそれぞれの能力を尽くし、またそれぞれに得るところがあり、なおかつ睦まじく共存しあう状況を作り出し、発展のための望ましい社会環境をもたらすことに努めなければならない。
科学的発展観を深く貫き、徹底させるには、われわれは引き続き改革開放を深化させる必要がある。改革・革新の精神を国政運営の節々に貫徹させ、確固として揺るぐことなく改革の方向付けを堅持し、改革に関わる政策決定の科学性を高め、改革措置の整合性を増強させなければならない。社会主義の市場経済体制を完全なものにし、各方面の体制に対する改革と革新を推進し、重要分野と肝要な部分における改革のテンポを速め、全面的に開放の水準を向上させ、活力にあふれ、効率が高く、より開放的で、科学的発展にプラスとなる体制・メカニズムの構築に力を入れ、中国の特色のある社会主義の発展のための強大な原動力と体制上の保障を提供する。人民の生活の改善を、改革、発展、安定の関係を正しく処理する上での重要な接点とすることを堅持し、改革が終始人民の擁護と支持を得るようにしなければならない。
科学的発展観を深く貫き、徹底させるには、われわれは党の建設を着実に強化し、改善する必要がある。執政と国家振興という党の使命を全うする次元に立って、科学的発展を導き、社会の調和を促進する中で、党の執政能力の向上および党の先進性の保持と増強を具現し、中国の発展と進歩を導き、最も広範な人民の根本的利益をよりよく代表し、実現することにそれを貫徹させ、これにより党の活動と党の建設を科学的発展の要請にいっそう適応させ、科学的発展のために確実な政治・組織上の保障を提供するようにしなければならない。
全党の同志は科学的発展観の科学的内容と真髄を全面的に把握し、科学的発展観を貫く自覚と確固不動さを固め、科学的発展観に適応しないかまたは合致しない思想・意識を転換させることに力点を置き、科学的発展を妨げ、それを制約する際立った問題の解決に力を入れ、発展をめざす全社会の積極性を科学的発展へと誘導し、科学的発展観を経済・社会発展の各方面に徹底させなければならない。
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