二次災害を防ぐ
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6月10日9時30分、唐家山堰き止め湖の排水量は毎秒1960立方メートル達した。15時15分、土砂にとって29日間堰止められていた水は、最高で毎秒7100立方メートルの速さで綿陽市を流れ下った。湖の下方に住んでいる130万人あまりの人々は危険から回避された。 |
被災者を収容し、また復旧・再建作業を始めるとともに、いかにして地震による二次災害を防ぐかが、各界の関心を集めている。
強烈な地震そのものに引き起される直接災害のほか、ダムの損傷、山崩れ、堰止め湖の決壊などの二次災害が引き起される可能性もある。四川汶川大地震発生以来、四川省の千カ所以上のダムが危険になった。関連部門は素早く水位を低下させ、堤防を強化するなどの措置をとり、ダムの安全を確保した。現在、堰止め湖、土石流などの二次的な地質災害が、被災地のもっとも大きな脅威となっている。
地震の被災地ではすでに34カ所の堰止め湖が形成されているという。そのうち、貯水量が300万立方メートル以上の大型堰止め湖は8カ所、100万から300万立方メートルの中型堰止め湖が11カ所もある。
その中でももっとも面積が広く、もっとも危険なのは、湔江が堰止められてできた唐家山堰止め湖だ。唐家山堰止め湖の堰堤の長さは803メートル、幅611メートル。最大貯水量3億2000万立方メートルと見込まれている。6月3日までに、貯水量が2億立方メートルを超えた。余震や上流の降雨量の増加、それに山崩れなど不確定要素の影響で決壊する可能性は絶えず増大している。
唐家山堰止め湖によって水没した漩坪鎮の下には、巨大な地滑り構造があるため、いったん地滑りが発生したら、堰止め湖は瞬時に決壊するであろう。もしそうなると綿陽市130万人の市民の生命の安全に直接、脅威をもたらす。
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5月31日、唐家山堰止め湖をつくった土砂を12万3500立方メートル掘り、湖面と排水口の差は2メートルになった |
6月4日、青川県石板溝にできた堰止め湖の土砂を爆発し、排水口をつくった |
6月10日、解放軍の兵士たちは涪江のほとりで無反動砲を構え、流れてきた大きな浮遊物を狙った。これは、浮遊物を細かく砕いて排水路が詰まらないようにするための作業である |
胡錦濤国家主席は人々の生命の安全を確保するよう求め、温家宝総理は自ら唐家山へ赴き、堰止め湖の排水状況を視察した。水利部の専門家たちと応急作業員たちは長さ400メートル、深さ10メートルの人工排水溝を掘った。同時に、専門家チームは決壊した場合の水没地区の人々を避難させるための2つの詳しい避難方案を策定した。
6月7日、唐家山堰止め湖は流れが堰止められてから26日後に初めて堰止められた水の排水を開始した。全面的に決壊することを防ぐために、応急作業員や兵士たちは、すでに掘った排水溝の左岸にもう一本の排水溝を開削し、また排水溝の出口にある大きな浮遊物を爆破した。
6月9日午後6時、排水量が毎秒81立方メートルに達した。専門家たちは、まもなく排水量が流入量を超え、堰止め湖の水位も低下すると見込んでいる。
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