改革・開放が始まってから約四半世紀が経った。その間、新しい世代の中国人たちは、次々に国を出て行った。その数は年を追って増え続けている。
彼らは外国で、自分たちとは異なる人々に初めて遭遇し、異なる文化と衝突する。その結果、文化が国境という垣根を越えて互いに「越境」し合い、そして融合するという現象を生み出している。これを「文化越境」と名づけたい。
今年は、初期の日本留学生だった魯迅の、留学百周年に当たる。中国と日本が「一衣帯水」であるのは今も昔も変わらないが、日本で暮らす新世代の中国人たちは、魯迅の時代とどこが違うのだろうか。彼らによる「文化越境」は、中日の民間交流にどんなプラスをもたらすだろうか。さらに彼らが「日本」と融合していく中で、彼らとその子どもたちの文化的アイデンティティーに微妙な変化が起こっているのではないか。
今年はまた、中日国交正常化30周年でもある。中日関係は山あり谷ありの試練を経てきたが、いままさに中日両国は選択を迫られている。21世紀の世界で、文化は果たして現実に存在する相違を乗り越えることができるだろうか。その意味で、「文化越境」した人の積極的な努力に、私たちは注目している。
その1 レンズの向こうの「日本」を見る
その2 「日本語文学」の冒険に挑む
その3 言葉の海を回遊する
人民中国インターネット版
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