中国の工業を牽引してきた巨大な製鉄所、「首鋼」と呼ばれて親しまれてきた首都鉄鋼集団が、ついに首都の北京を去る。
来年夏に開催される北京オリンピックまでに、北京の大気を「オリンピック基準」にまで改善することを、中国は国際的に約束した。そのためには、二酸化炭素などを大量に排出する製鉄所は、北京から引っ越さなければならない。
しかし移転はオリンピックのためだけではない。近代化された新しい製鉄所に生まれ変わるためでもある。
なにせ、従業員8万人、敷地面積8平方キロのマンモス企業である。移転は5年がかり、移転費用は677億元にのぼる。
移転先の新工場の建設は進んでいるか、従業員は再就職できるのか――これは、中国の鉄鋼業再生の壮大な実験である。(王漢平 沈暁寧 高原=文 魯忠民=写真)
その1 石景山から曹妃甸へ
その2 歴史の荒波をくぐりぬけて
その3 課題も多い「首鋼」の将来
人民中国インターネット版
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