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日本救援隊が救ったもの

 

(2)両国関係の発展

 

日本のウェブニュースサイト「J-CASTニュース」は16日、「救助隊派遣と義援金 中国で『日本評価』急上昇」と題した記事を掲載し、ウェブ世論の変化を報道した。その他の主流メディアも続けて同じような内容の記事を発表した。いずれも救援隊の被災地入りをきっかけとして中国のウェブ上に「ありがとう、日本!」といった書き込みがあふれはじめたことを思いがけないこととして報道するものだった。

 

四川大地震の被災者に対する日本のメディアと世論の善意は人道主義的な同情からまず始まった。この同情は続く数日で成熟し、時間がたつにつれ、さらに積極的で客観的なものになっていった。典型的な変化はメディアの報道の態度だ。警戒と疑いを最初は含んでいたメディア報道はだんだん温かいものになっていった。たとえば毎日新聞に14日掲載された記事では、四川省綿陽市で幼稚園教諭が命を投げ出して園児を守ったことが紹介され、日本でも大きな反響を呼んだ。

 

さて、中日世論の歩み寄りはどうしてこんなに早く実現されたのだろうか。

 

中日関係が地震災害を目の前にして、このような健全な発展傾向を見せていることは、少し分析を加えれば、実はそこまで意外なことではない。中日双方には現実的利益における互恵関係という大きな背景があり、何世代にもわたる両国の人々が共に積み重ねてきた内実がある。中日両国の関係改善はこれらの深い根拠に裏付けられた自然な結果だ。

 

中日関係の十数年の「政冷経熱」を通じて、両国の関係が共に勝者となる互恵的な関係にあり、どちらかを負かさなければならない利益の食い違う関係にあるのではないということを、双方とりわけ日本は徐々に理解してきた。これが大きな背景となる互恵関係だ。

 

小泉純一郎氏が首相就任した頃に日本の人々が中国に対して取っていた態度は、欧米各国の現在の対中態度と似ている。中国の急速な発展によって、当時の日本もまた中国に対して同じような不安を持っていた。中国がアジアで力を増していけば日本にとって大きな脅威となると考えていた。とりわけ中国の民族主義的な傾向は日本の民間にある種の恐怖感を与えた。このような恐怖はその後数年のあいだ、日本の対中態度が冷たくなり続いた原因となった。

 

しかし、約10年の時を経て、現在の日本人の中日関係に対する見方は明らかな変化を遂げた。中国は以前より力を増したが、日本はこれによって圧力を受けるということはなかった。日本は中国を巨大な市場とし、投資も積極的に行っている。中国経済の発展は日本経済を引っ張り、日本の景気のテコとなった。双方のGDP成長率は正比例を示しており、中国の発展すれば日本が損をするという関係でないことが明らかになった。中国の資源と労働力、日本の技術と資金という双方の優位性が認識され、双方は相補的で互いに利する局面を形成していった。

 

欧米諸国の中国に対する見方も日本が遂げたと同じような変化を必要とするのかもしれない。中国の発展が世界にとって脅威となるのか利益となるのかを彼らがわかったとき、反中国の声も自然となくなっていくだろう。

 

 

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