多彩な工夫の「油立方」
「観客が6、7時間も待つのは、私たちにとって非常に大きなプレッシャーです」と、石油館の劉俊傑館長ははっきり言う。「人が多いのは当然うれしいですが、長い時間並んでいただくのはほんとうに心苦しいのです。私個人の考えですが、3時間を過ぎればコストパフォーマンスが高いとは言えません。しかし、多くの観客がやはり石油館に行列してくださいます。これは私たちの石油館がうまくいっている証明でしょう」
浦西エリアDゾーンに位置する中国石油館は、建築面積6190平方メートルで、中国石油天然ガスグループ公司、中国石油化学工業グループ公司、中国海洋石油総公司という三つの国営石油会社が共同出資して建設した企業館である。「油立方」とも呼ばれる石油館は、石油の立方体(キューブ)が良い都市の主要な推進力であるという寓意を含んでいる。
石油、石油化学工業そのものに神秘性はない。航空展示、自動車展示などのように人々に衝撃を与え神秘感を持たせるものとは違う。「石油そのものにはもともとは見るべきものはありません、これは私たちの弱点です」
石油館のアイディア段階から設計計画、建設まで、劉館長は関与してきた。彼は一つのパビリオンには必ず学術が必要であり、芸術と技術との完全な融合が必要であると強調する。
昼間はうすい青色の「石油パイプ」を編んでできた「油立方」は、夜になるときらきらと透き通り、きらびやかにまばゆい「光立方」となる。変化に富んだ石油館は三大石油会社の宣伝をするのではなく、石油と都市と生活の関係について語っており、石油文明と人類文明の関係を語っている。そして、それが展示して見せるのは中国の石油、石油化学工業の全体イメージである。
生活と石油を数値化
ほかの多くの館と違い、石油館はテーマを語るのに「非常にエンターテインメント的なやり方」を用いている。石油館に入ると、来館者はまず5つの場面で、人々の日常の衣食住が石油と密接な関係を持つことを知り、石油が「どこにでもあり、生活を素晴らしいものにしている」ことを理解する。驚くべきは、各場面に表示される数字である。「人は一生に平均290キログラムの石油を着て消費する」「551キロの石油を食べ」「住環境に3790キロの石油を使う」「外出時には合計では3838キロを消費」など、これら非常に精確な数字は多くの言葉より強く、観客に石油に対する深い印象を残す。
上海万博のこの3ヵ月来、石油館は大衆的、感性的な展示を通して観客に対して石油の技術、工芸、産品、歴史、未来について直接訴えてきた。多くの石油石油化学工業に関心を持ち疑問符を持って入館した観客に、感嘆符を持ち帰らせた。彼らは石油館でサプライズと喜びを得たのである。
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