徹底的に環境保護を
電気と自然エネルギーの共生は、国家電網館の環境保護理念である。パビリオン全体の設計のなかで、省エネ、排出削減、クリーンエネルギーの使用が全面的に考慮されている。
パビリオンの屋上には太陽光発電システムが備えられ、光エネルギーを集め、電気エネルギーに変換して蓄積、供給利用している。同時に、館内にある「ひまわり」と呼ばれる12の太陽光採光システムで、日光を直接館内に引き込んで、パビリオンの地下室とVIP応接エリアの照明を提供し、館内の節電につなげている。
来館者の自然回帰への純粋な夢を満足させるため、国家電網館は「建築が自ら太陽をさえぎる」設計になっている。つまり、「マジックボックス」と空中のかけ渡しによって、遮光ゾーンを作り出しているのだ。「マジックボックス」は地上6メートルの高さにあり、その下部は館全体に通じる通路になっている。この光の差さない涼しいエントランス・ホールで、観客は夏の吹きぬける風の涼しさを感じることができる。建築内部の行列待ち通路は上海の夏の季節風をとらえるS字形の省エネ清涼通路となっており、中間に立つと涼しい風が吹いてくるという素晴らしい感覚を味わえる。
また、国家電網館のすべての建築材料は回収して再利用することができる。なかでも、エントランス・ホールの床の敷設は木くずなど廃棄物を特殊な接合剤で混ぜ合わせたエコ通路となっている。これによって、熱をため込まないだけでなく、弾力性があって体への負担も軽減、歩行の快適度も高く、水はけもよくすべらないため安全である。
「エネルギーの心」
国家電網館の地下部分には、中国初のスマートグリッドの展示ゾーンがある。ここでは、観客は高さ約50センチメートルの巨大電池を目にする、これは中国が開発に成功したナトリウム・硫黄電池であり、この電池をフル充電すると単三型マンガン乾電池2250個分に相当する。また、砂でできた地形図があり、起伏ある山の峰、不ぞろいの風車などとともに、強固な電気ネットワークシステムが形成されているのが分かる。電気エネルギーが途切れることなく伝わることを代表しうる、高圧送電技術の中国の広大な国土への応用を展示している。
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さらに、ガラス窓を通し、地下3層に備えられた変圧器を目にすることができる。これは110キロボルトの変電所である。この初めて万博に提供されたスマート変電所は、浦西エリアのすべての範囲の電力供給を担当している。ブースのなかではまた、その場のデモを通じて、変電所の電磁電流の強度がIH調理器や炊飯器、ドライヤーと同程度であり、このため住民は住宅付近の変電所が自分や家族の健康に損害をもたらすという心配をする必要はないことを教えてくれる。
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