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中国─日本 友好の絆⑦ 瀋 陽

 

「休暇を楽しむなら北海道へ!」

瀋陽市中心部から棋盤山観光エリアにある瀋陽万博園まで車で30分くらいだ。万博園の西側には、桜園がある。日本の桜に加えて和風の小さな橋、石灯籠、石塔などが、園全体に日本の風情を醸し出している。桜園の一角には、60を超える石碑によって構成されている中日瀋陽友好碑林がある。この碑林は2005年に建設が始まり、2010年の瀋陽市と札幌市の友好都市提携30周年の際に除幕式が行われた。数ある石碑の一つに「創智」の二文字が刻まれており、これは札幌市の上田文雄市長の揮毫によるものだ。

上田文雄市長について触れると瀋陽市観光局の柳秀芝局長は、非常に感慨深げにこう語った。「上田市長は、札幌と瀋陽の友好交流を非常に重視され、市長就任後、最初に訪れた海外の都市が瀋陽でした。2005年11月24日に、『瀋陽の日』と2006中国瀋陽世界園芸博覧会のプロモーション会が札幌で開催されました。その際、上田市長はPR係のボランティアを引き受けて下さり、率先して博覧会を参加者に紹介し、瀋陽へ博覧会を見に行こうと札幌市民に呼びかけて下さいました。また開催期間中は上田市長自ら団体を率いて博覧会を訪れてくれました」

柳局長によると、札幌は国際的に名高い観光都市として、瀋陽と観光面での協力が非常に突出しているという。瀋陽市観光協会と札幌市観光協会は1997年と2009年に、観光交流友好協力協議書に調印した。2003年、札幌市は瀋陽国際氷雪祭りの後援団体として、瀋陽氷雪祭りの成功のために、管理、運営、組織、企画などの分野で技術支援と協力を行った。「私たちは札幌が提供してくれた設計図に従い、また札幌の氷彫刻の技術援助を受けたおかげで、瀋陽氷雪祭りの質の底上げを図ることができました」その後、毎年札幌からの派遣団が瀋陽氷雪祭りに参加している。

瀋陽氷雪祭り(写真提供・瀋陽市観光局)

1986年、両都市友好の証として瀋陽市から札幌市へ中国式庭園の「瀋芳園」と大型彫刻「走向世界」が贈られた。それから20年後の2006年3月に、両都市は『瀋陽・札幌両都市による市花の相互贈呈の協定』に調印し、瀋陽市の市花であるバラと札幌市の市花であるライラックを贈呈し合い、互いの市花を栽培することになった。そして、新世紀の両都市友好の新たなシンボルとして、これらの花が市民に公開された。2010年、バラとライラックがそれぞれ札幌市と瀋陽市に根を下ろした。

また瀋陽も毎年、日本観光を組織し大勢の観光客が参加した。1998年6月、瀋陽―札幌の直行便が正式に開通した。その後一度中断されたが、双方が共に努力した結果、運行が再開された。2011年5月20日、東日本大震災発生後、中国大陸初の東京観光ツアーが瀋陽から出発し、到着後、地元市民から熱烈な歓迎を受けた。地震で直行便の運行が一時停止したが、7月に康輝旅行社はチャーター機で北海道観光を企画した。柳秀芝局長は、数年間連続で招待を受けて、札幌での観光プロモーション会に参加した。「札幌で大いに歓迎を受けました。どこへ行っても北海道の温泉を宣伝し、みんなに『本当の休暇を楽しみたいなら北海道へ』とPRしていますからね」とうれしそうに語った。

角田貴美室長が提供したデータによると、2010年4月から2011年3月まで、北海道に来た中国人観光客数は13万5500人に達し、前年比27.6%も増加したという。

豊富で多彩な青少年交流

瀋陽市緑島学校の事務室で、65歳の汪恵麗副校長と会った。当時、生徒を連れて札幌の「YOSAKOIソーラン祭り」に参加した時のことを振り返ると、汪副校長は興奮を抑えられず、「非常に素晴らしかったですよ。私たちが出演した時、舞台下の観衆はみな一緒に踊り、会場全体が盛り上がりました」と熱く語った。

2010年9月に瀋陽市で開催された友好都市提携30周年記念レセプションにて両都市の児童による催し物(写真提供・瀋陽市外事弁公室)

2000年、瀋陽市と札幌市の友好都市提携20周年を記念して、札幌は「瀋陽・札幌友好提携20周年・YOSAKOIソーラン祭り」を開催した。東北育才学校は、生徒たちに伝統舞踊『ソーラン節』を教えるため札幌市から舞踊のコーチを招いた。育才学校の教師として、汪恵麗副校長は舞踊稽古の全スケジュールに参加した。「コーチが教えて下さったのはわずか数日でしたが、私たちは舞踊稽古をすべて録画しました。生徒たちは毎日、昼も夜も時間を割いて自習し、さらに週末も利用して練習を続けました。1カ月後、生徒たちはみんなやせてしまいました」と汪副校長はエピソードを紹介してくれた。6月7日、汪恵麗副校長は36名の生徒から成る「中国・瀋陽太陽鳥舞踏団」を率いて札幌へ公演に行き、思いがけない成功を収めた。帰国時には、札幌市長が自ら空港まで見送り、また2年連続で彼らを「YOSAKOIソーラン祭り」に招待した。

両都市は友好都市提携20周年、25周年にそれぞれ一連の青少年交流活動を行ったほか、民間団体も積極的に参与した。瀋陽市体育協会と札幌市体育協会は1990年代に、両都市の青少年スポーツ代表団が隔年に互いを訪問するという交流協定に調印した。これまでに、水泳、バスケットボール、バドミントン、卓球などの親善試合を何度も行い、青少年間の相互理解を促進することができた。

角田貴美室長は、末永く中日友好を保ち続けていきたいと心から願っている。「今後も、瀋陽と札幌は、青少年によるさまざまな分野での交流をいっそう促進し、両都市間の交流をもっと活発にさせなければなりません。中日両国は政治、経済の面で摩擦と障害がありますが、これからも交流と協力を続けるためには、民間交流とりわけ青少年間の交流を強化しなければなりません。これは私たちが進むべき非常に重要な方向で、友好都市としての重要な目的と役割でもあります」

 

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