万人に親しまれ 涼送る麻の夏布
【夏布の製作手順】
夏布の生産は主に、苧麻の繊維取り、糸にすく、玉にする、棒に巻く、糸をよる、綜絖の目に通す、のりを塗る、布を織る、さらす、整形、模様染めなどのプロセスに分けられる。
① 苧麻の繊維取りと漂白 成熟した苧麻の表皮をはぎ取り、ナイフで表面をこそげ落とし、洗って乾かしてからそれを割く。さらに水にさらし漂白するなどの処理をしてから、質と長さによって分類して束ねる。苧麻は春、夏、秋の3回収穫でき、5月の春苧麻が最も品質が良い。 |
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② 繊維から糸にすき、玉にする 水にさらした苧麻を引き割いて糸状にし、水の中に入れて、指でさらに一本一本の細い糸にすいて、それを筒に巻いて麻糸玉をつくる。 |
③ 棒に巻く 麻糸玉を竹かごに入れ、糸を長さ約10センチの竹の棒やコウリャンの茎にサトイモの形になるように両手で巻きつけ、できあがったら棒を引き出す。
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④ 整経 縦糸の準備。弾力や丈夫さ、長さを確認し、同じ太さにする。
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⑤ のりを塗る 米を煮込んでつくったのりを、並べた糸にたっぷりと塗り付ける。それは糸と糸を繋ぎ合わせたり、割けた糸を貼り合わせるためで、糸をなめらかにし、布を織っている最中に切れたり毛羽立ったりするのを防ぐためでもある。 |
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⑥ 綜絖の目に通す 細い竹で縦糸を順番に一本一本切り離してゆき、それを、横糸を通すために縦糸を上下に分ける器具である綜絖に通す。絡みを防ぐために、順番には最大の注意を払う。
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⑦ 布を織る 織る際の手足のタイミングが最も大切。右手と左手を順番に使い、右手で梭に繋いだ横糸を縦糸に入れ、左手にそれを渡す。縦糸を整え横糸を打ち込むのに使う筬(竹または金属の薄片を櫛の歯のように並べた道具)を右手で手前に引き、横糸を一回打ち込んでから、足でペダルを一回踏む。その後、左手の梭を縦糸に入れ、右手に渡し、右手で筬を手前へ引いて、横糸をもう一回打ち込む。
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⑧ さらす、整形 出来上がった布を川でさらし、まっすぐ伸ばしたあと、竹の棚で乾かす。乾いたら、碾き臼で押しをしたり、木棒で叩いたりして形を整える。 |
⑨ 模様染め 模様染めは、型板を刻む、プリント、染め、乾燥という4つのプロセスに分けられる。牛の皮と紙を貼り付けたものを型板とし、桐油を塗ったあと、必要な模様を刻む。型板を生地の上に置き、スクレーパーで染料を均等に塗って、布地にプリントする。さらに生地を染色用のかめに浸し、数回繰り返し、取り出して乾かす。
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人民中国インターネット版 2013年3月