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重慶で日中交流イベント

 

日中の学生が共同制作した「和輪笑レター」と筆者(作品の上部、ピンクのウィンブレを着ている女性4人の左から2人目)(写真提供・国際交流基金)

国際交流基金による日中交流事業の募集を知ったのは昨年の10月。中国の大学生と協力してイベントを企画し、実施する点にひかれたのですが、当時、日中関係が緊迫しており、周囲には反対の声もあり、応募は非常に大きな決断でした。

選考を通過し、リーダーに決まった時は「こんな時期だからこそ、一人でも多くの人々の心に響くイベントを作り上げよう」という思いと同時に、「中国の方々は来てくれるだろうか」という不安もありました。開催までの約4カ月半、日本人メンバー二人と何度も話し合いを重ねました。中国側の協力者として立候補してくれた重慶師範大学のパートナー6人は、その間いろいろな面で支えてくれました。現地調査や翻訳など、とても好意的に協力してくれた彼女たちの優しさは、私たちの不安を拭い去ってくれました。

今年3月、いよいよ重慶へ。2日間にわたって開催した「WA食fes!!」には、200人以上の方々が来場し、中には何時間もかけて来てくださった方もいました。イベントでは、来場者と一緒に日本食や和菓子を作るなど、交流を深めました。開催前日、国際交流基金の方から言われた「あなたたちの印象が日本人の印象になる」という言葉を胸に、「日本を好意的に思ってほしい」と願い、できるだけたくさんの人に笑顔で話し掛け、交流を図りました。重慶の方々は想像していたよりもずっと友好的で、日本に興味を持ってくれました。つたない中国語で話しかける私に、たくさんの方々が「你好!コンニチハ」と笑顔で応じてくれました。初めて日本人に会ったという若い女性は、言葉が通じないことも気にせず、必死に友好の気持ちを伝えてくれ、本当に心が熱くなりました。

イベントには、「両国の人々の日中友好の気持ちを繋げ、形にしたい」という期待を込め、来場者とともに「友好アート」を共同制作しました。何カ月も前から日中双方で相手への真情を込めたメッセージ入り写真を撮り始め、イベント当日まで集め続けました。その結果、約300人分の写真を集めることができ、それを使って一枚の絵を作りました。絵の周りには来場者のメッセージも配し、心温まる素敵な作品にすることができました。

重慶で過ごした6日間で、たくさんのことを感じ、経験し、学ぶことができました。大きな事業を成功させることの難しさや自分たちの非力さを知り、同時に、中国の人々の優しさを身にしみて感じました。帰国後、イベントで出会った多くの人々からのメールを見た時は、胸がいっぱいになりました。私の次の目標は、今回の訪中で生まれた絆を一層大事にすること、そして一人でも多くの日本の学生に日中友好の思いを伝え、共有することです。今後も、この気持ちを決して忘れることなく、努力していきたいと思います。

山中理華子 (やまなか りかこ)
1992年6月生まれ。福岡の高校を卒業後、九州大学に入学。現在、農学部2年生。昨年11月、国際交流基金日中交流センター主催の中国「ふれあいの場」大学生交流事業に応募。今年3月、九州大学女子学生4人で結成した「Project和輪笑(わわわ)」リーダーとして、重慶ふれあいの場に派遣された。

 

人民中国インターネット版 2013年7月

 

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