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養老穴のマッサージ

 

張北海=文

年をとると免疫力が低下するのは自然の摂理だ。老衰を遅らせ、高齢者が寒気、湿気、熱、乾燥に侵されないようにするには、どうしたらよいのか。実は人の体内には一種の「重要な薬」があり、うまく利用すれば、健康な体を守ることができる。それは養老穴と言い、手首付近にあるツボである。

養老穴のマッサージは高血圧、動脈硬化、頚椎症、アルツハイマー病、めまい、息切れ、耳鳴り、記憶低下、指のしびれ、上肢のだるさ・痛みなど、高齢者によくある病気に対し改善効果がある。現代医学の言葉で言えば、体の微循環を改善することができる。このツボのマッサージを長期的に続ければ、経絡を開き血行を良くし、聴力と視力の退化を遅らせることができる。病気で寝返りを打ったり起きあがったりするのが大変な高齢者にとっても、養老穴のマッサージは保養効果がある。老眼がますますひどくなり、目が疲れると視界がぼやけたり、視力が低下したりする人は、毎日養老穴を押すと、簡単ながらも効果がある。また、寝違えたり、腰の筋を違えたり、呼吸の際に脇腹の不快感を覚えたり、しゃっくりが止まらなかったりする時にも優れた効果がある。

養老穴はどの位置にあるのか? 手の甲を上にすると、小指側の手首に肉眼でも分かる骨が飛び出た部分がある。ここを触ると骨と骨の隙間が感じられ、養老穴はそこにある。もう一つのツボの取り方は、片手のひらを下にして胸の前で水平になるようにし、別の手の人差し指で手首の関節の出っ張った部分を押さえながら、手のひらを手前にひっくり返すと、人差し指は自然と骨と骨の隙間に置かれる。この隙間が養老穴だ。

具体的なマッサージ方法は、ツボを鈍痛がするまで人差し指の先で押す。毎回両手のツボをそれぞれ2~3分間、毎日朝、昼、晩の3回マッサージする。

高齢者の養生に、神が高齢者に授けてくれた養老穴という秘密兵器を使わないなんて、もったいない。世界中の高齢者たちが健康で長生きしますように!

 

 北京軍区総病院の主任理療医師で、20数年にわたって高齢者医療保健活動に従事している。中国国学院大学客員教授、専門家委員、康寿養生専門家。

 1986年から人体の経絡(人体の気血・ツボの筋道)についての研究を始め、経絡による手診、面診、舌診、脈診、眼診、耳診などの漢方診断法、ツボ押し、民間食事療法の真髄を一体にし、短時間で人体の経絡を開き養生・治療効果を出す「張氏経絡管道快速開通法」を確立した。

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