便秘に効く「支溝穴」
現代社会では、仕事上のストレスや運動不足、過剰に神経質な飲食摂取などが原因で、多くの人が辛い便秘に悩まされている。
便秘にはいろいろな症状がある。発熱やイライラ、腹部の膨張感や痛みなどの症状を伴う便秘の人は便が固くなかなか出て来ずに3~5日、またはそれ以上出ない状態が続く。めまい、動悸、腹部の冷えや痛みなどの症状を伴う便秘の人は体本来が持つ排便の力が乏しい。
便秘は大病というわけではない。しかし、とても辛く、他の病気を併発する。宿便は腸内に蓄積され、休むことなくガス、毒素を作り出し、腸内環境の悪化、胃腸機能や内分泌のバランス、そして、新陳代謝の乱れを引き起こし、食欲不振、睡眠障害、神経過敏などの症状を引き起こす。そこで役立つのが手の甲から3寸(1寸は約3㌢)の場所にある「支溝穴」。
このツボは気の流れを十分にすることで津液(体液や唾液の分泌)を促す。そして、腸の動きを活発にし、排便を促すことで便秘を解消する。特に中高年の便秘に効果を発揮する。
片方の親指の先で、もう片方の手の支溝穴を押す。親指で20~30秒垂直に押し、ゆっくりと離した後、局部を軽く揉む。筋肉組織の深部にまで届くくらいの、しびれ、張り、痛み、温かみや下にまで突き抜ける感覚などを感じながら繰り返す。左右交互に行い、毎回それぞれのツボを2~3分押す。
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便秘の人は、散歩の時や乗り物に乗っている時、食事を待っている時やテレビを見ている時などに支溝穴を押していると徐々に効果が現れる。
以下の2点に気を配ることが大切。
1、朝はまず、さ湯を飲み、排便前にマッサージすると、より良い効果が期待できる。併せて体を鍛え、仕事と休養とのバランスを取る。
2、普段から、腸の動きをスムーズにし、便通を促すような食物を多く摂取することを心掛ける。
ハチミツ:ハチミツ180㌘、すり黒ゴマ30㌘を合わせて蒸し、毎日2度、おやつとして食べる。
バナナ:毎日2~3回、1回につき2本
リンゴ:毎日朝晩、空腹時に1~2個。習慣的に摂取すると効果がある。
このほかにも、便通を促す食べ物には、サツマイモ、トウモロコシ、ジャガイモ、ニラ、ダイコン、ホウレンソウ、サトイモ、アンゼリカ、ゴマ、阿膠(血液機能を高める効果のある漢方の原材料の一種)などがある。
北京軍区総病院の主任理療医師で、20数年にわたって高齢者医療保健活動に従事している。中国国学院大学客員教授、専門家委員、康寿養生専門家。 1986年から人体の経絡(人体の気血・ツボの筋道)についての研究を始め、経絡による手診、面診、舌診、脈診、眼診、耳診などの漢方診断法、ツボ押し、民間食事療法の真髄を一体にし、短時間で人体の経絡を開き養生・治療効果を出す「張氏経絡管道快速開通法」を確立した。 |
人民中国インターネット版 2015年1月