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冬至にこそ1年の活力をつける

 

冬至は1年の中で最も重要な節気。この日は昼が最も短く、夜が最も長い。頂点にまで達した「陰の気」(万物を衰退させる気)が弱まり、代わりに「陽の気」(万物を隆盛させる気)が勢い付く。つまり、万物が息吹を取り戻し始める。冬至の陽の気は、来年1年のエネルギーを決定する。冬至にしっかりと気を養い、陰と陽の入れ替えをスムーズに行うことで、陽の気を勢い良く成長させられる。では、そのためにはどうすれば良いのだろうか。

まず、冬至の当日、今年で言うと、12月22日は、朝起きてから「胆経」ツボを叩くことで陽の気を引き出す。胆経は太ももの側面にあり、臀部から膝に至るまでのズボンの外側の縫い目に位置している。臀部から始め、一通り10分も叩けば良いだろう。

次に、冬至の日には、昼1回(「日浴」)、夜1回(「夜浴」)の入浴をするのが最も良い。日浴は、血行を良くし、気の流れを増強させ、体を丈夫にする。一方、夜浴は、腠理(皮膚細胞の間、筋繊維の間)の流れを良くし、五臓六腑をきれいにし、体をさらに健康にする。

そして、冬至には羊の肉とニンジンの具の餃子を食べる。ダイコンと羊の肉の煮込みでも良い。羊の肉は最も陽気を補うため、冬至の日に食すのに適している。ベジタリアンの人であれば、ニラや冬に採れるタケノコなどがスムーズに陽の気を引き出す。

このほかにも、冬至のこの日にはできるだけ情緒を安定させている必要がある。気分よく、怒ったりしないことで初めて「元気」(宇宙万物の根本の精気)を消耗せずに、陽の気をスムーズに引き出すことができる。冬に生命の活動が衰えていくため、この時期に養生しておくと、勢いが保証され、早期の衰えを防止することができ、長寿が期待できる。

最後に、質の良い睡眠をとることが最も大切。冬至は陰と陽が逆転する時期だ。そのため、この日の夜は10時前に足を温めてから眠りに入れば、陰と陽をスムーズに入れ替えることができ、来年の養生の基礎を築くことができる。

 

[羊の肉とダイコンの煮込み]
 材料
 ダイコン500㌘、羊の肉250㌘、ショウガ、料理酒、塩それぞれ適量
 作り方
 1. 鍋に適量の水、適当に切った羊の肉を入れる。
 2. 5、6分沸騰させてから羊の肉を取りだし、ゆで汁を捨てる。再び、適量の水を沸騰させた後に羊の肉を入れ、ショウガ、料理酒、塩を入れ6割方火が通ったところでダイコンを入れて煮る。
 効果
 脾臓の機能を高め、体を温める効果がある。足腰のだるさや冷えに最適。


 北京軍区総病院の主任理療医師で、20数年にわたって高齢者医療保健活動に従事している。中国国学院大学客員教授、専門家委員、康寿養生専門家。

 1986年から人体の経絡(人体の気血・ツボの筋道)についての研究を始め、経絡による手診、面診、舌診、脈診、眼診、耳診などの漢方診断法、ツボ押し、民間食事療法の真髄を一体にし、短時間で人体の経絡を開き養生・治療効果を出す「張氏経絡管道快速開通法」を確立した。

 

人民中国インターネット版 2014年12月

 

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