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経絡の流れ整え 周辺ほぐし解消 肩凝り

 

孫維良 (城西大学講師・中国医学会会員)

肩凝りもひどくなると、頭痛がしたり、吐き気がしたり、本当につらいものです。また最近では、小学生に肩凝りを訴える子が増えてきているといわれています。

肩には、三焦経(さんしょうけい)という小腸経という二つの経絡(けいらく=一種の生命エネルギー“気”の通り道)が走っています。そこに邪気が進入し、その部分を「気」がうまく流れない状態になると肩凝りが起こってくるといわれています。経絡の流れをスムーズに整えていく気功法で肩凝りを解消していきましょう。

まず姿勢を整え、心をリラックスしてゆっくりと呼吸をしましょう。手に意識を集中させ、手をこすり合わせて暖かくなってきたら、肩、首筋の順に刺激していきます。

① 凝っている側と反対側の手をその肩の筋肉に当てる。親指と残りの四本の指とで少し痛いくらいの力を入れて、酸張感(痛くだるい、張るような感じ)が出てくるまで、押し続けます。肩の筋肉を十五~三十秒つかんでは離す動作を三~五回繰り返します。最初は、少し痛く感じますが、繰り返すうちに徐々に気持ちよくなり、肩が軽くなってきます(図A)。

② 首への刺激は、両手を組んで親指の下のふくらみで、①と同様に気を入れながら、十五~三十秒後ろ首をつかんでは離す動作を三~五回繰り返します(図B)。肩凝りは、凝っている部分だけをほぐすのではなく、首などその周辺をほぐすことで血行がよくなり、楽に解消されていきます。

最後に肩から肩胛骨(けんこうこつ)のあたりを指でおさえて、最も痛い場所を探し、親指か中指に意識を集中させながら、「の」の字を書くようにもみほぐしてください。酸張感が出てくるまで、押しもみします。

以上の動作を一日に二回朝晩に行うとよいでしょう。寒い冬などは、運動不足にならないように、方を動かしたり、手を伸ばしたりして、できるだけ体を動かしましょう。

 

孫維良(ソン・イリョウ)

1954年中国・天津生まれ。元天津中医学院(現天津中医薬大学)第一附属医院推拿医師。

1987年来日。

現在、東京中医学研究所所長、臨床中医学推拿塾塾長。当研究所内での施術のほか臨床中医推拿塾にて治療家育成にも積極的に取り組む。

 

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