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血行、栄養に注意 調節機能回復を 近視

 

孫維良 (城西大学講師・中国医学会会員)

東洋医学では、経路を流れている気が滞ると気結(きけつ)が生じ、血行も滞ります。血行を良くし、目に十分な栄養を与えて、緊張をほぐすと、目の調整機能を回復させることができます。気功推拿(すいな)を行うときは、目に対して温かく、柔らかい刺激となるようにし、これによって、目の血液循環の増強、神経の栄養改善を促し、目の疲労を解消し、近視眼を改善します。

姿勢、心、呼吸を整えてから始めましょう。

① まぶたを閉じ、静かに30秒くらい座ります。両手の中指の指先で“風池”穴を約1分間押します。その後、風池穴の周囲を、酸張感(痛くてだるい感じ)が出るまで押しもみします。

② 両ひじを机の上に置き、両方の親指の指先で別々に“攅竹(さんちく)”の上を押します。その後、だんだん力を眼球の上縁に向けていき、そこにはっきりとした酸張感が表れたら、引き続き一分間くらい押します。これは気が届いた状態を表します。

③ 両手の親指の先で“魚腰(ぎょよう)”穴(マユの下縁の中央)を押します。だんだん力を上方に向けていき、目の周囲にはっきりとした酸張感が表れたら、そのまま一分間つづけます。

④ 両手の中指の指面を別々に内眼角のところにつけ、その後、まぶたを外眼角のところまで別々に20~30回なでます。また親指の先で“四白”穴をもみほぐします。

以上の方法を行うと同時に、

※両方の目の玉を右へ18回、左へ18回回転させ、その後目を閉じて休ませる。

※できるだけ遠くのものを見たり、近くのものを見たりの反復動作をする。

※近距離の仕事のときは、光線を明るくし、目を余り近づけない。

など、ちょっとした注意で発生と進行を食い止めることができます。

 

孫維良(ソン・イリョウ)

1954年中国・天津生まれ。元天津中医学院(現天津中医薬大学)第一附属医院推拿医師。

1987年来日。

現在、東京中医学研究所所長、臨床中医学推拿塾塾長。当研究所内での施術のほか臨床中医推拿塾にて治療家育成にも積極的に取り組む。

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