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南京で手話ボランティア

 

 

南京にて、手話を教わった先生と(左が筆者)

 

小谷 晋太郎(こたに  しんたろう)

1993年4月24日生まれ。早稲田大学社会科学部3年生。現在、北京大学対外漢語教育学院に留学中。早稲田大学高等学院で米式蹴球部に所属し全国連覇に貢献、その後早稲田大学に進学。趣味はスポーツ観戦、麻雀。「第6回日中学生手話交流南京交流事業」で北京チームのリーダーを務めた。

 

北京に来て早いもので9カ月がたちました。この留学は、私の人生でとても貴重な経験になっています。私は日本にいる頃、中国と日本の文化や考え方、歴史認識の差が相当大きなものだと考えていました。現在日中友好寮に住んでいて、毎日中国人たちと生活を共にしています。最初は中国人と一緒に生活をすることに大きな不安がありましたが、衣食住を通じて、また会話やスポーツなどの交流によって、不安は解消されていきました。そして、生活インフラや気候、習慣の違いが生活ひいては文化の差異につながることを身をもって学ぶことができました。  

先日「南京交流事業」に参加しました。これは日中学生手話交流会の活動の一環として、5月の第三日曜日の「障害者の日」に、日本の留学生が中国手話を勉強して、日中の歴史と関係が深い南京で、ろうあ者の中国人学生と交流する集いです。メンバーは、現在北京大学に留学している早稲田大学の学生で構成されています。手話は言語と同様、国や地域ごとに異なり、その文化を強く反映しています。私は、手話によって国や地域に対する理解を促進することができると考えており、中国語以外に交流の輪を広げられる道具として、手話をもっと活用していくべきだと思っています。またこの活動を通して私の南京に対するイメージは大きく変わりました。現地の人はとても日本人を忌み嫌っているだろうと思っていました。しかし南京の滞在中、反日的な印象は全くありませんでした。おそらく、歴史的背景と大きな関係がある現地で交流を試みようとする日本人が多く、現地の人が日本人としばしば交流しているため、日本人に対する理解があるからでしょう。互いに先入観を持たず、真の心で交流し、相手のことをよく知って、少しずつ互いに対する理解を深めていくことが大切なのでしょう。この経験からお互いの事を何も知らないまま批判し合っていては何も始まらない、交流してみないと何も始まらないし変わらないと感じました。現地では日本のアニメが好きで日本語を勉強している人が多いことを知ったり、現地のろう学校では暖かい歓迎を受けたりと自分が感じていた歴史の壁が少しずつ崩れていくのを感じました。  

北京の生活は、いまだに新鮮で毎日多くのことを吸収し、自分自身の成長を実感できています。日本にいる頃は、ただ単純に中国に対する知識の少なさもあって、先入観で中国を見ていました。しかし、実際に現地で研修を受けたり、中国の各地域を旅行したりすることで、中国固有の文化といっても地域によってさまざまであることを理解し、とにかく広大な土地や人民をすべて理解して受け入れることは不可能でも、直接中国人と日中問題や文化、恋愛のことまで話し合っているうちに、留学前の自分には到底知り得なかった中国の良さや面白さが分かりました。

 

 

人民中国インターネット版 2014年8月

 

 

 

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