座り仕事による首や腰の痛みに
陽の気が足りないと、人は年よりも老けることになる。これは現代人が直面する深刻な問題の一つである。まだ20代なのに頚椎症(首の痛み、胸部の痛み、のぼせ、耳鳴り、上肢のしびれ・麻痺・筋力低下などの症状が出る、加齢が原因とされる病気)にかかる人もいれば、小学生が頚椎症にかかることすらある。その理由は簡単である。ストレスが大きく、いつも座っていて、体調管理がうまくできないため、頚椎症の発症が若年化しているのだ。
机の前でずっと同じ姿勢で仕事したり勉強したりすると、上半身が前に傾き、頚椎が緊張し、督脈が圧迫される。督脈は全身の陽の気をつかさどっており、督脈が圧迫されれば、全身の陽の気がそがれることになる。それが長く続くと、脊椎にゆがみが生じやすくなり、人も元気がなくなる。
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しかし、そういった症状も、あるツボをマッサージすることで緩和することができる。それは小腸経にある後谿(渓)穴である。拳を握り、小指の外側にできた横ジワの先端が後谿穴である。
このツボは奇経八脈の交会穴(経脈の交わるところ)で、督脈に通じている。このツボを押すと、頚椎の調整、脊椎の整骨、陽の気の強化、心の火(のどが渇く、脈が速いなどの症状)の解消、目の保養などの効果がある。頚椎、腰椎、目などに問題がある時には、このツボを押すことによる効果は非常に著しい。
押し方は簡単で、気楽に続けられる。デスクの前に座って、両手の後谿穴を机の縁に当てて、腕の関節を回して両手を動かすことによって後谿穴を刺激する。パソコンの前で文書を読んでいる時、両手の後谿穴をデスクの縁またはキーボードに当てて、左右に動かしたり、押したり、あるいは両手の後谿穴を互いに叩くようにして、1回2、3分間、1時間おきに1回すれば十分である。これを毎日続ければ、まずは腰椎、頚椎が楽になり、腰や首が凝ることもなく、目もすっきりするだろう。
北京軍区総病院の主任理療医師で、20数年にわたって高齢者医療保健活動に従事している。中国国学院大学客員教授、専門家委員、康寿養生専門家。 1986年から人体の経絡(人体の気血・ツボの筋道)についての研究を始め、経絡による手診、面診、舌診、脈診、眼診、耳診などの漢方診断法、ツボ押し、民間食事療法の真髄を一体にし、短時間で人体の経絡を開き養生・治療効果を出す「張氏経絡管道快速開通法」を確立した。 |
人民中国インターネット版 2014年9月