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私たちが見た、聞いた被災地の現状

 

活躍する若いボランティアたち

 

バスの中で、故郷に戻る被災者たちの名前などを登録するボランティアの李春竜さん(写真・沈曉寧)


 

「北川県の擂鼓鎮へ行く人は、ここで乗ってください!」。背の高いやせた青年が、大小の荷物を抱えた被災者に大声で呼びかけている。胸には「中国ボランティア」の赤いマーク。もしこれがなかったら、柄物のシャツにジーパン姿の彼は、普通の都市部の青年と何も変わらない。

 

「李春竜といいます。20歳です」。青年は自己紹介をしながら、被災者の荷物の運搬を手伝っている。李さんは今回の地震で深刻な被害を受けた北川県の出身だ。故郷から離れて運転手の仕事をしていた李さんは、地震発生後、故郷の北川県に駆けつけた。途中、被災者30000人を収容している綿陽市の九洲体育館で、幸いにも両親を見つけることができた。その後、ボランティアに志願し、被災者の生活のために駆け回っている。

 

災害の情況が少しずつ安定しているうえ、農繁期に入ったことにより、農作物の様子が気にかかる被災者たちは、政府の手配のもと、続々と故郷に戻っている。李さんはそういった被災者を故郷に送り届けているのだ。

 

バスが動き出すと、李さんはインスタントラーメンやビスケット、ボトル入りの水などが入った食料袋を被災者に渡しながら、受け入れ先とスムーズなやりとりができるよう、彼ら一人ひとりの名前などを登録する。この仕事を終えると、擂鼓鎮までの道のりはあともう半分だ。毎日3時間しか寝ていないという李さんは、バスの床でウトウトする時間がやっと持てる。

 

「両親のことは心配していません。体育館には数千人にのぼるボランティアがいます。彼らが2人の面倒をみてくれるはずですから」と李さんは笑いながら話した。

 

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