「『農民工』を歴史上の言葉に」 ——遅福林 中国(海南)改革・発展研究院院長
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遅福林院長(写真・王征) |
「『中国はできるだけ早く『農民工』を歴史上の言葉としなければならない。彼らを都市の市民として扱うべきで、この提案を第12次五カ年規画に組み入れるよう希望する」
遅福林中国(海南)改革・発展研究院院長は、このほど本誌記者の取材に応じ、「農民工」(農村からの出稼ぎ労働者)の処遇について、このように語った。
中国には農村戸籍を持ちながら都市で働く者が約二億三千万人いるが、その多くの賃金・収入は都市住民(都市戸籍を持つ者)に比べ大幅に少なく、子女の教育をはじめ医療保険や低所得者向け住宅の供与面などでも都市住民に比べ保障が行き届いていない。遅院長は「中国は目下、消費主導型に経済発展モデルを転換しつつあるが、農民工を都市住民にするなら、彼らの収入を高めることができ、都市化も促進できる。このことを通じて消費も拡大できよう。同時に社会の安定にも寄与できる」と述べた。
遅院長はまた、「農民工を都市住民に組み込むための条件はすでに整っている。農民工はすでに都市部の労働集約型産業に従事する労働者の主体であり、経済と社会の発展の中で、主力軍の役割を果たしている。さらに、現在の中国は農民工を都市住民化するための財政的な保証も備えている」と語った。(『人民中国』2011年5月号より)
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