「これでは古い村落も現代農村の風景も失われてしまう」 ——温家宝 国務院総理
河北省万全県宣平堡郷の霍家房村を視察している温家宝総理(手前右)(新華社) |
「現在、農民の合法的な権益を顧みずに、村から農民を強制的に立ち退かせ、都市の住宅に引越しさせている地方が少なくない。これでは古い村落が失われてしまうだけでなく、現代農村の風景さえなくなってしまう」
9月6日に開かれた中央文史研究館成立60周年記念座談会の席上、温家宝国務院総理は、馮驥才国務院参事と、古い村落の保護問題について対話した際、このように表明した。
温総理は、古い村落の保護は実際には、工業化・都市化が進む中で、有形・無形の文化遺産と文化伝統をどう保護するかということにほかならないと述べた。
温総理はまた、当面、次のような3つの問題があると指摘した。
「第1に、現在、農民の合法的な権益を顧みずに、村から農民を強制的に立ち退かせ、都市の住宅に引っ越しさせている地方が少なくない。これでは古い村落が失われてしまうだけでなく、現代農村の風景さえなくなってしまう。農民が失うものは土地であり、これは文化保護の次元を超えている」
「第2に、新中国成立以来の都市建設の中からが汲み取るべき深刻な教訓の1つは、本物を壊して偽物をつくっているということだ。多くの本物の有形文化遺産を取り壊した後に、莫大な金を費やしてそのコピーをつくっているのだ」
「第3に、都市の開発計画がそれぞれの地域の文化的特徴を生かすものではないことだ。この問題は特に重視されることになろう」(『人民中国』2011年10月号より)
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