PART2 内需拡大と消費回復を優先

2023-03-13 10:31:00

邱慧=文

昨年開かれた中央経済活動会議は「国内需要の着実な拡大」を今年の五つの重要な取り組みの筆頭に置き、「消費の回復拡大の位置付けを優先的なものにしなければならない」と強調した。 


昨年12月に開催された第20回広州国際モーターショーの新エネルギー車の展示ブースは多くの来場者を引きつけた(vcg)

  

「中央経済活動会議は今年の経済成長を回復させるために最大限の努力を払うシグナルを発した」と中信証券首席エコノミストの明明氏は述べた。さらに、現在の中国の経済回復の基礎はまだ強固ではなく、世界的な不景気を背景に外需の下押しリスクもあり、安定成長という目標を達成するためにはまず内需を拡大することから始めなければならないと説明した。 


なぜ優先的な位置に? 

会議では「内需」が5回取り上げられた。供給側(サプライサイド)構造改革と内需拡大を統合的に進め、質の高い供給によって有効需要をつくり出し、各種の方式とルートで内需を拡大する必要性が強調された。それとともに、国内市場の潜在力を十分に引き出し、経済成長の原動力となる内需の役割を強化する必要がある。 

「内需拡大は急務です」。明氏によれば、新型コロナなどによって中国の消費活動は明らかな影響を受け、人々の有効需要の長期的な不足によって国内の潜在的な生産能力が失われる恐れが強い。現段階では、内需を高めるために適切な政策措置を打ち出すことが、経済が「安定の中で前進を求める」ようにする重要な手段だ。 

今年の経済成長をけん引する「トロイカ」(消費、投資、輸出)の中で、期待されているのが消費と投資だ。「消費促進と内需拡大の戦略は一致し同調する」。中国政策科学研究会経済政策委員会の徐洪才副主任は、今回の会議では内需拡大を繰り返し強調し、消費の回復と拡大を優先的な位置に置き、昨年主に投資と輸出によって経済成長をけん引した状況が、今年は変わることを十分に示したと述べる。中国国家統計局が発表したデータによると、消費は中国経済発展の第一のエンジンとなっており、消費の回復を促進することが安定成長にとって重要であることが分かる。 

清華大学五道口金融学院の田軒副院長は次のように考える。昨年からマクロ的に見ると、中国国内の消費市場が短期的な圧力を受けているのは明らかだが、マクロデータを分析すると、まさに成長しようとしている消費の強靭で新たな勢いがうかがえる。新型コロナの予防抑制措置が相次いで最適化される中、人々の消費意欲は着実に解放され、中国国内の消費市場における成長の粘り強さが現れ続ける。 


需要側と供給側共に努力
 

会議では、内需拡大の具体的な措置について、消費能力を増強し、消費条件を改善し、消費シーンを刷新し、複数のルートを通じて都市部農村部住民の収入を増やし、人々の住生活改善、新エネルギー自動車、介護サービスなどの消費を支援すると指摘した。 

「消費の回復と拡大や人々の収入を増やすことが重要です」。徐氏は、内需拡大は人々の需要によってもたらされるべきだと述べる。短期的には、衣食住や交通手段といった従来の消費分野において、政府は多様化する人々のニーズに応えるために供給を増やし、クーポンや補助金を配ることで消費を促進することができる。 

明氏によれば、新型コロナの予防抑制措置の最適化により、今年の消費需要もさらに解放され、人々の給与収入と中低所得層の要素所得を徐々に増やし、中所得層を効果的に拡大し、消費需要全体を刺激する必要があると考える。 

需要側だけではなく、供給側も共に努力しなければならない。会議では、今年の経済活動をしっかりと行うには、内需拡大戦略の実施と供給側構造改革の深化を有機的に結合させなければならないと指摘した。徐氏は、内需拡大は経済の安定的な動きを維持する重要なルートであり、供給側構造改革は質の高い発展を実現する重要な措置であると述べた。需要と供給の好循環が形成されると、「内なる原動力」も相次いで解放され、経済も新たな成長の原動力を得る。 


難が多い反面明るい未来 

国家統計局のデータによると、昨年の中国の国民経済は全体的に回復の勢いを維持し、市場価格の上昇は安定し、新たな原動力は持続的に成長し、民生の保障は力強く、社会全体の情勢は安定を保っている。 

今年の中国経済の動向について、明氏は楽観的だ。「今年の中国の経済成長の加速は、消費回復の反発によってさらに多くもたらされます」。今年の社会消費財小売総額の伸び率は7~8%前後に戻り、サービス業の付加価値も5~6%程度の伸び率に戻る見込みだ。これは、今年の小売産業とサービス業における付加価値の伸び率が潜在的な水準に回復することを意味している。 

徐氏は、「現在の中国経済は依然として多くのリスクや試練に直面していますが、その粘り強さ、大きな潜在力、長期的に上向くという基本的傾向に変わりはなく、建築工事関連の資源要素も支えになると見られます」と予測し、新型コロナの予防抑制措置が最適化されるにつれ、今年の経済は著しく回復すると考える。消費の促進、投資のけん引など複合的な措置の連携により、今年第2四半期から中国の経済成長は力強い反発を見せ、第3、第4四半期も内需を主導とした発展傾向が継続すると徐氏は考える。 

 

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