唯一無二の新薬を開発

2025-03-31 10:26:00

段非平=文 迪哲医薬=写真提供 

国の製薬産業の急成長に伴い、医薬品研究開発のクリエーティビティーも活発化している。昨年、中国は新薬の開発数で世界2位に躍り出て、さまざまな革新的な中国製医薬品が世界の市場に出て、大勢の患者に希望をもたらした。2017年創業の迪哲医薬(ディザルファーマスーティカル、以下はディザル)はイノベーション主導型のバイオメディカル会社だ。イノベーション理念を根幹とする同社は近年、世界初の新薬の研究と製造に成功し、「0」から「1」への跳躍を一つまた一つと実現している。 

「悟空」が来た 

非小細胞肺がんの中で標的療法が難しかったEGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性に、世界の医薬品研究開発は失敗を繰り返していた。この難治性疾患は、がん治療という大海の航行を阻む分厚い氷のようなもので、現状を打破する者の登場が待たれていたが、「悟空WU_KONG」により、20年近い臨床医学の空白が埋められた。 

23年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、ディザルは「サンボゼルチニブ」関連の臨床研究「悟空6(WU_KONG6)」を世界に公開し、その一次治療のデータは人々を鼓舞させた。臨床研究の好ましい成果によって、サンボゼルチニブ(商品名:サンボザル)は23年8月に中国で販売され、EGFRエクソン20挿入変異に対する世界で初めてかつ唯一の経口治療薬となった。 

昨年4月、サンボザルの一次治療は米国食品医薬品局(FDA)と中国国家医薬品監督管理局から「画期的新薬指定」(BTD)を受け、肺がん分野で初となり、中米でBTDを受けた唯一の中国製新薬となった。 

「世界最高の新薬を開発するのがわれわれの目標です」。ディザル董事長兼最高経営責任者(CEO)の張小林氏によると、サンボザル一次治療の最新臨床研究「悟空28」は現在、欧米やアジア16の国と地域で積極的に推し進められ、世界中の患者に治療の新たな選択肢の提供を早めるとしている。 

「0」から「1」へ 

世界のバイオメディカルイノベーションの推進に伴い、新たな研究や治療法が次々と現れているが、アンメットメディカルニーズ(満たされていない医療ニーズ)は大きいままだ。近年、中国は科学技術イノベーションを国家発展の全局の核心的位置に置き、バイオメディカル業界のイノベーション能力も顕著な伸び上がりを見せ、新薬の研究開発も「すぐに後に続く」から臨床的価値を目指す根幹的イノベーションへ徐々に移行している。 

「中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(第20期三中全会)で全面的イノベーション支援体制仕組みを構築すると提起されたことは、われわれ科学技術イノベーション企業の『カンフル剤』となりました」。張氏は、現在の製薬業界には依然として多くの「Me too」薬(改良医薬品)、つまり既存薬を改善しただけの薬品があると述べる。その研究開発には既存の臨床検査結果を流用できるため、認可も販売も新薬と比べものにならないほど速い。「ディザルは改良医薬品を製造せず、根幹的イノベーションの道を進むだけです。『0』を『1』にする道は険しいですが、われわれは望んで進みます。根幹的イノベーションにはさらなる取り組みが必要で、われわれができることは科学技術の活性化による研究開発効率の向上です。現在、世界の新薬の研究開発にかかる平均コストは26億で、その期間は約10年を要します。しかしサンボザルの研究開発期間はたった3年余りで、投資も1億ほどでした」 

昨年6月、ディザルが研究製造した二つ目の根幹的イノベーション新薬高瑞哲(ゴリドシチニブ)が正式に販売された。これはJAK-STAT経路に働き掛けて末梢性T細胞リンパ腫を治療する世界で初めてかつ唯一の新薬であり、この分野で10年間新薬がなかった難局を打ち破った。わずか1年で2種類の抗がん剤が「世界唯一」に輝いたディザルは、根幹的イノベーションを堅持することで、激しい競争のバイオメディカル業界で頭一つ抜けた存在となった。 

1978年に開かれた全国科学大会の閉幕式で発表された「科学の春」というスピーチに、「奇想天外ではあるが事実に基づく、これが科学者特有のスタイルだ」という一文がある。 

「この言葉はディザルの研究開発理念をよく表していると思います。なにものにも縛られてはならず、まず奇想天外な精神が必要で、科学的な検証はそれからです。リスクがつきものの生物学や医薬の研究開発で、われわれが唯一信じられるのが科学です」。製薬会社として、科学的発見を地道に行うほか、ビジネス的に成功しなければならないと張氏は考える。利益が出れば研究開発に資金を投じられ、それによってブレークスルーイノベーションの成果を出し続け、中国のバイオメディカル産業の質の高い発展を後押しできるからだ。「製品の国際ビジネス化の配置を加速度的に推し進め、世界の多くの患者に中国の新薬を届けたいです」 

人民中国インターネット版

 

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