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中日間のキシミ溶解に期待

 

陳言=文

コラムニスト、『中国新聞週刊』主筆。1960年生まれ。1982年南京大学卒業。 中日経済関係に関する記事、書籍など多数。
オリンピック(2008年)と万国博覧会(2010年)を契機に、経済などが成熟に向かっている中国は、第12次五カ年規画(「十二・五」)を始動する2011年を迎えた。持続的な経済成長、新しい指導体制への移転準備、国際社会で大国として果たす役割など、経済発展計画以上に中国はいろいろな試練に直面している。2011年は特に重要な一年であろう。

経済発展を成し遂げることは、決して容易なことではないが、中国は今まで30年余りの間に万難を排して、それを手に入れた。1919年以降の30年間が民族解放を目指した期間だとすれば、1949年以降の30年間に、中国はいろいろな紆余曲折を経験しながら、近代国家としてその政治的意味を整理した。1978年以降の「改革開放」は、近現代であまりにも立ち遅れた経済を立て直し、少なくとも経済規模の面で中国は再度、世界の前列に仲間入りした。五輪と万博で象徴されたように、中国は政治、経済、文化などを含めて自国のすべてを全世界に展示できるようになった。

経済の持続的な成長、またそれにともなって福祉制度の整備、社会改革などは、これからの30年間で、中国が新たな成果を上げていく分野だと思われる。産業構造の転換だけでなく、いままで相対的に立ち遅れていた教育の再興、発展から取り残された農村や内陸の都市の振興、さらに多くの工業都市の環境問題の解決などで、中国は数多くの新しい試練に直面している。

その意味で2011年は、「十二・五」を始動させる年だけでなく、新しい試練に向かって、今後30年の持続的な経済成長、社会変革を開始させる年でもあろう。

農村都市化のモデル地区に指定されている上海市の郊外区(東方IC)
通信、素材、バイオなどの新産業の振興によって経済発展の新分野に進出し、同時に都市化は農村人口の都市への移転をもたらす。内陸部の発展速度は徐々に沿海部を追い抜き、そこの市場も拡大していく。中国経済も外資、輸出などの外部循環によって発展を成し遂げる方式から、国内市場を多用する内部循環をも生かしていき、内陸部の振興によって持続可能な発展を図っていくだろう。国内経済の比重が高くなり、本当の意味での国民経済もこの期間中に形成されていくと思われる。

中国経済は、依然として個人経営、民営、国営、外資などの多種多様な形態を保っているだろう。また中国より数十年先に成熟経済に入った日本は、いろいろな面で中国の先生であり、学ぶ対象である。同様の成熟社会では、21世紀初頭の激動した10年間に現れた中日間のいろいろなキシミも初めて溶けていくだろうと期待される。新しい中日関係も2011年から構築していかなければならない。中日両国はそれによって本当の戦略的互恵関係を作り上げていく。

転換期を迎えた中国と中日関係は、2011年には特に注目されるテーマとなるに違いない。(『人民中国』2011年1月号より)

 

人民中国インターネット版  

 

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