中日間のキシミ溶解に期待
陳言=文
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コラムニスト、『中国新聞週刊』主筆。1960年生まれ。1982年南京大学卒業。 中日経済関係に関する記事、書籍など多数。 |
経済発展を成し遂げることは、決して容易なことではないが、中国は今まで30年余りの間に万難を排して、それを手に入れた。1919年以降の30年間が民族解放を目指した期間だとすれば、1949年以降の30年間に、中国はいろいろな紆余曲折を経験しながら、近代国家としてその政治的意味を整理した。1978年以降の「改革開放」は、近現代であまりにも立ち遅れた経済を立て直し、少なくとも経済規模の面で中国は再度、世界の前列に仲間入りした。五輪と万博で象徴されたように、中国は政治、経済、文化などを含めて自国のすべてを全世界に展示できるようになった。
経済の持続的な成長、またそれにともなって福祉制度の整備、社会改革などは、これからの30年間で、中国が新たな成果を上げていく分野だと思われる。産業構造の転換だけでなく、いままで相対的に立ち遅れていた教育の再興、発展から取り残された農村や内陸の都市の振興、さらに多くの工業都市の環境問題の解決などで、中国は数多くの新しい試練に直面している。
その意味で2011年は、「十二・五」を始動させる年だけでなく、新しい試練に向かって、今後30年の持続的な経済成長、社会変革を開始させる年でもあろう。
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農村都市化のモデル地区に指定されている上海市の郊外区(東方IC) |
中国経済は、依然として個人経営、民営、国営、外資などの多種多様な形態を保っているだろう。また中国より数十年先に成熟経済に入った日本は、いろいろな面で中国の先生であり、学ぶ対象である。同様の成熟社会では、21世紀初頭の激動した10年間に現れた中日間のいろいろなキシミも初めて溶けていくだろうと期待される。新しい中日関係も2011年から構築していかなければならない。中日両国はそれによって本当の戦略的互恵関係を作り上げていく。
転換期を迎えた中国と中日関係は、2011年には特に注目されるテーマとなるに違いない。(『人民中国』2011年1月号より)
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