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新疆は対外開放の西大門

ウルムチの対外経済貿易商談会に設けられたトルコの商談ブース

 中国が改革開放政策を実施して以来、東部の沿海とその周辺地域は対外開放の主要な地区となってきた。それに対し、新疆ウイグル自治区は中国西部の辺境にあり、長期間、辺鄙で立ち遅れたところだと見なされてきた。しかし今後十年、新疆は次第に中国が西に向かって開放して行く際の橋頭堡となり、対外開放の西の大門となるだろう。

新疆は中国の陸地総面積の6分の1を占め、また少数民族が集中している地区で、いままで経済発展よりも安全、安定が注目の的だった。2010年に開かれた「中央新疆工作座談会」は、十年がかりで新疆の飛躍的発展と長期間安定を実現すべきだ、と提起し、また19の沿海の省・直轄市に新疆への「一対一」支援をさせることを決定した。その決意と力強さはかつてなかったことだ。その決意から、新疆の発展と安定の重要度について、中国指導層が共通認識を持っていることが分かる。それは中国の改革、発展、安定という大局にかかわり、祖国の統一、民族の団結、国家の安全にもかかわり、中華民族の復興にかかわるものだ。

シルクロードはかつて古代の東方と西方を繋ぐ重要な通路だった。新疆はユーラシア大陸の中部に位置し、まさにシルクロードの要所中の要所なのだ。しかし、15世紀に入って、西洋の大航海時代の勃興によって、海上貿易が次第に国際貿易の主体となり、半面、新疆は国際貿易における重要な地位を失った。新疆の振興は地元の経済発展に拍車をかけるだけでなく、周辺国の発展も促進することになろう。

新疆はロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、モンゴル、アフガニスタン、インド、パキスタンの八カ国と境を接し、一部は旧ソ連から独立した国々だ。長期間、計画経済体制下にあったため、石油や天然ガスなど特有の資源を擁しているにもかかわらず、工業は相対的に立ち遅れ、国際貿易も発達しているとは言えなかった。改革開放後の中国が輸出を主軸とする外向型経済を推進するためには、これらの諸国の市場を必要としている。このような環境にある新疆はこれらの国々との貿易交流の中で必ず重要な役割を演じ、新しいシルクロードを切り開くに違いない。新疆は13億人の人口を擁する内地の大市場と背中合わせなだけでなく、同じく13億人の消費者がいる中央アジア、西アジア、南アジアの大市場にも面している。

改革開放以来、人口は東部の沿海都市に集中し、東部の都市は重圧に耐えられなくなり、土地と資源の不足問題の解決が課題になっている。一方、大卒以上の高学歴の人材が東部の沿海都市に集中し過ぎ、人材の浪費も問題になっている。新疆の振興と発展は、人材を西の地区へ引き付け、東部地区の就職難問題を解決するとともに、地域経済の協調的な発展も実現できる。ところが、人材を引き付けるためには、新疆の経済発展の水準がほかの中西部の省・自治区をはるかに上回ることが必要なだけでなく、東部の発達した省のレベルに達することさえ求められている。

総じて言うと、新疆振興は中国の必然的な選択だ。未来を展望すれば、新疆は間違いなく中国の現代化プロセスの先頭を行くだろう。21世紀の中国経済社会が飛躍的に発展する過程で、新疆がこれから十年、最も注目される重要な地区となるのは確実だ。(『人民中国』2011年8月号より)

 

人民中国インターネット版

 

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