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中国映画の2012年を振り返る

 

チケット求め長蛇の列、問われる顧客サービス

ファンの間ではネットの共同購入などで格安チケットを確保してシネコンに映画を見に行くパターンはすっかり定着しました。北京では新しいショッピング・センターにはみなシネコンが入っているように感じますが、集客力にはそれぞれ違いがあるようです。観客の多いシネコンは、やはり会員制度を充実させたり、共同購入サイトに格安チケットを出品したり、あの手この手で顧客獲得に努力しているようです。シネコン・チェーンとしては、大都市のカバーをほぼ終え中型都市への進出を始めているようで、シネコンの増加が止まる様子はありません。興行収入が4倍規模になっていると紹介しましたが、全国のスクリーン数も約1万2000と、4年で3倍近くに増えています。

 ヒット作が続いたため、何度となく見かけた映画館のチケット売り場にできた長い行列
 2012年末に訪れた杭州でもチケット売り場に大行列が見られた

そうした中、爆発的ヒットとなる作品が続いたことで、映画館のチケット売り場には長い行列ができました。チケット売り場の対応は必ずしもスムーズとは言えず、1時間近く並ばされることもあるなど、映画館側の対策が望まれるところです。ファンの中には、映画館が営業を開始する朝9時に訪れてゴールデンタイムのチケットを買い、夕方に改めて訪れる形で行列を回避する人も見られました。映画館側はそれを当たり前のことと思わず、そこまでして映画を見たいというファンを大切にしてほしいと思います。

2012年の映画界は素晴らしい作品とさまざまな驚きを見せてくれました。昨年末に北京では地下鉄4線が開通・延伸し、映画館通いの利便性も大幅アップしましたので、今年は昨年よりさらに積極的に出かけるつもりです。見どころある映画、興味深い観客の様子などをご紹介していきたいと思いますので、今年もお付き合いいただければ幸いです。

 2012年末に開通した地下鉄6号線・車公荘西駅が人民中国雑誌社の最寄り駅

プロフィール

1956年生まれ。法政大学社会学部卒業。テレビ情報誌勤務を経てフリーライターに。

1990年代前半から中国語圏の映画やサブカルチャーへの関心を強め、2009年より中国在住。

現在は人民中国雑誌社の日本人専門家。

 

人民中国インターネット版 2013年1月16日

 

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