連続テレビドラマ『北平無戦事』
監督:孔笙、李雪
脚本:劉和平
主演:劉燁、陳宝国、焦晃、倪大紅、王慶祥など
初回放映局:北京/天津/河南/山東衛星テレビ
初回放送日時:2014年10月6日
1949年1月31日、中国人民解放軍第4野戦軍は北平城(北京市の旧称)に入り、防衛業務の接収管理を始めた。これによって、北平は平和的に解放された。
戦わずして勝利した北平解放は、国内外に驚愕を与えた。しかし、硝煙は上がらなくとも民心を奪い合う戦いがその背後にはあった。
劉和平氏が脚本を、孔笙氏と李雪氏が監督を務める全53話のテレビドラマ『北平無戦事』は、鋭い歴史観と洗練されたテレビ美学によって、風雲渦巻く北平解放の前夜を再現している。
1948年、国民党が支配する「国統区」の政経体制は混乱し制御不能の状態にあり、物価は高騰し、官吏による汚職が横行していた。国民党空軍筧橋中央航空学校の教官・方孟敖上佐が、蒋介石の長男である蒋経国の命令で中央銀行北平支店の不正行為を極秘裏に調査することになった。方は裕福な家の出身で北平支店支配人・方歩亭の子息だが、もう一つの身分は国民党軍に潜伏する中国共産党の地下党員だった。波乱に満ちた時代の中で、国民党軍内部の疑いや調査にさらされる一方で、同僚による陰謀やあつれき、さらに複雑かつ危険な事態に次々と直面する。方と他の地下党員たちは丹心を込めて新中国成立の礎を築いた。
歴史劇として『北平無戦事』は、中国国内で広く注目を集めた。もはや話題のドラマにとどまらず、中国ドラマ業界である種のトレンドを作り出した。脚本の劉和平氏は、欧米や日韓といった外国文化の影響を大きく受けて「自国文化を見失った」状態にある中国社会に、このドラマの成功は一定の啓発を与えることだろうと語った。外国の優秀な文化は、もちろん学ぶに値する。しかし、自らの民族が創造し、伝承すると同時に蓄積してきた文化的成果を手放してはいけない。劉氏はさらに次のように表明した。「現在の中国はまさに社会の大きなモデルチェンジにさしかかっており、多くの人々が自国の文化を受け入れられなかったり、自信を抱けなかったりし、外国にばかり目を向けている。歴史という観点から見て、1948~49年は中華民族にとって重要な変革の時期だった。このドラマでは、民国文化と解放区文化の二つの文化形態を表現している。私は人々の文化的な記憶を呼び戻そうと試みた」
人民中国インターネット版 2014年12月