故宮博物院90周年特別展『石渠宝笈』
この『石渠宝笈』は清代の乾隆、嘉慶年間(1736~1821年)に皇室が編纂した大型の記載・収録文献である。この文献には魏晋から清初まで2000年近い大家の書画1万2000余点が収録され、清代皇室による所蔵が最も豊富な時期の作品が全て集められている。
同特別展は「所蔵篇」と「編纂篇」に分けられており、それぞれ武英殿と延禧宮とに展示されている。「所蔵篇」は『石渠宝笈』に収録されている書画を中心に展示しており、その中には東晋王珣の『伯遠帖』、隋代展子虔の『遊春図』、北宋張択端の『清明上河図』などがある。特に『清明上河図』は故宮博物院の「鎮館の宝」といわれ、容易には見ることができない。前回は10年前の故宮博物院80周年時の北京、香港、日本での展示3回のみ。今回の展示は10年前にも見られなかった全巻5.28㍍を初披露する。10月13日に始まった第2期展示で『清明上河図』は撤去されたが、ほかにも唐代馮承素の『摹蘭亭序帖巻』や東晋顧愷之の『列女図巻』(宋代複製本)、五代周文矩の『重屏会棋図巻』、宋代趙佶の『聴琴図巻』、元代趙孟頫の『人騎図巻』など、書画界で絶賛されている作品がめじろ押しだ。宋代と元代の名画のほかに、清代順治帝、康煕帝、雍正帝、乾隆帝、嘉慶帝の直筆の書簡や詔書が初めて披露されることも本展の特徴。
「編纂篇」は『石渠宝笈』そのものの歴史を解説するもので、収録した書画の由来、編纂人員、編纂体裁、所蔵場所、版本と印章や璽(印章の一種、特に天子の印章を指す)を中心に、『石渠宝笈』の内容と特徴を分析する。展示されている作品は72点、そのうち善本12冊、『石渠宝笈』に使われた宝璽(天子の印章)15点を含んでいる。
開催期間:9月8日~11月8日
開催場所:故宮博物院武英殿および延禧宮(北京市景山前街4号)
入場料金:故宮の入場チケット(40元)購入で見学可
人民中国インタネット版 2015年11月