「グリーン」に向かい 中国のガラス産業が世界をリードするよう推進
「建物一体型太陽光発電(BIPV)は先進的なグリーン材料の体系的な集合、未来のグリーン建築の発展の主な方向で、さらに1兆級のポテンシャルを秘めた低炭素の『新コース』でもある」。全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議)の開幕を控え、全人代代表、中国工程院院士、中国建材集団チーフエンジニアを務める中建材ガラス新材料研究総院の彭寿院長が取材に対し、「建築業界の省エネ・排出削減は、ダブル炭素目標(二酸化炭素<CO2>排出量ピークアウトとカーボンニュートラル)を達成するための重要な一環だ。グリーン建築は低炭素・排出削減の重要な足がかりで、グリーン材料はグリーン建築を牽引し、下支えするものだ」と述べた。科技日報が伝えた。
彭氏は2022年の全国両会で、全人代に関連法律・法規の改正を急ぎ、太陽光発電材料の応用やBIPVの発展などの強制的要求を政策法規体制に盛り込み、関連する法的責任を明確にし国家標準体制を整備し、BIPVの急成長に政策の保障と下支えを提供するべきだと提案した。
企業経営者としての彭氏は常に科学研究の最前線で活躍している。習近平総書記は20年に安徽省を視察した際に、安徽省の量子通信や超薄型ガラスなどの分野における並走とリードを実現したことを評価・称賛した。
ここで言う超薄型ガラスは、彭氏が所属する中建材ガラス新材料研究総院の研究開発の成果——厚さ0.12ミリメートルしかない世界で最も薄い電子タッチ制御ガラスだ。同院はその後、先進世代TFT液晶ディスプレイガラス、全フロー30ミクロンフレキシブルフォルダブルガラスなどの重要技術を開発し、国の関連産業チェーンとサプライチェーンの安全を保障した。
先端技術の展開に取り組みながら成果の転化に取り組んでいく。彭氏は重要中核技術の研究開発と同時に、ガラスの従来の建材からグリーン戦略的新型材料への転換を早急に推進するには、ガラス産業の省エネ・炭素削減の推進に大きく力を入れ、中国のガラス業界を「グリーン」に向かわせる必要性に気づいた。
国の「ダブル炭素」戦略に立脚し、中国建材集団のモデル転換の発展に焦点を当てる。彭氏はチームを率い業界をリードするトータルなグリーン材料生産技術を開発し、高品質の太陽光発電ガラス中核技術、トータルな設備、スマート生産ラインの開発に成功した。世界で変換効率が最も高いセレン化銅インジウムガリウム (CIGS)発電ガラス、世界初の大面積テルル化カドミウムガラスなど、一連の世界をリードする太陽光発電材料製品を開発した。さらに数多くのモデル先行のBIPVランドマークプロジェクトを完成させた。
この発電ガラスが張家口冬季五輪会場や赤城五輪回廊などのプロジェクトに応用され、グリーンな冬季五輪をサポートしたことが注目すべきだ。
彭氏は今年の両会で、近代的産業体制の建設、国家イノベーション体制の建設の加速及びグリーン・循環型発展の推進について提案を続けるつもりだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年2月28日